【独占】なぜ横浜DeNAは元阪神・鳥谷敬を獲得しなかったのか…編成トップに聞く筒香嘉智のいない2020年戦略
横浜DeNAがオープン戦で好調だ。25日の時点で4勝0敗。昨季は、リーグ2位となり球団史上初めてクライマックスシリーズを本拠地開催、ラミレス監督は4年間で3度のAクラス入りを果たした。だが、4番の筒香嘉智(28)がポスティングによりメジャー移籍、復活が期待されていた左腕、東克樹(24)もトミー・ジョン手術で今季は戦力にならない。キャンプを視察している他球団の戦力評価も高くないが、新外国人のタイラー・オースティン(28)がオープン戦3試合で3本塁打を放つなど可能性を感じさせている。過去に広島はエースの前田健太が抜けた翌年に優勝し、日ハムもダルビッシュ有が抜けた翌年の2012年にリーグ制覇をした。「戦力イコール結果」の単純な計算式で終わらないのがプロ野球の魅力である。横浜DeNAの編成トップ、三原一晃代表(51)にストレートな疑問をぶつけた。横浜DeNAの2020年戦略は如何に。
筒香の穴をどう埋めるのか?
――ファンの疑問は「筒香がいなくて大丈夫なのか?」につきます。 「戦力を整えるという意味でやれることはやりました。これまで在籍していた外国人選手も含めて手を打ったかなと思っています。筒香という選手の存在感の大きさ、チームに与える影響力の大きさを考えると、そもそも一人の選手が彼の代替えになることはありえないことなんです。『4番レフト』のポジションではなく、彼の穴を今年の戦力全員の力を集結させてカバーするという形になってくるでしょう」 ――全員でカバー? 「ラミレス監督とも話をしていますが、筒香がいなくなることを契機に新たなるチーム作りが必要になってきます。もう一度、各ポジションで競争をしていかなくてはなりません。選手にとってタフな1年。そういう1年にならざるを得ない」 ――編成トップとしては、筒香放出後について、どこから準備を? 「一昨年末の契約更改の場で、彼の方からメジャー移籍の希望があったので、将来、ありえることとして当然頭に入れていました。最終的には、オーナーを含めた判断で、ポスティング移籍を認める結果になりましたが、現場として準備、心構えはしていました」 ――それにしては、オフのFAに積極的ではありませんでしたね? 「高田GMの時代から、必要な補強ポイントに関しては、FAも含めた補強をするという考え方は変わらない。うちの補強ポイントで言えばショートを含めた二遊間が懸案の部分。筒香が抜けた外野手を外国人(オースティン)で補強するという形になりましたが、選択肢としてFA補強が入っていなかったということはありません。結果として、そこに至らなかったけれど、チームの中では、当然、話をしています」 ――検討したけれど動かなかったのはチームの予算を鑑みてですか? 「一概にそれだけが理由だったわけではありません。編成部長の進藤達哉さんにお願いしているのは、ベストな編成をすることを心掛けてくださいということです。バジェット(総予算)を気にするのは、私の仕事。編成の現場は、一番いい補強を考えて欲しいとお願いしています。その考え方をすれば、FAで何人か欲しい選手はいました。ただ情報を集めている中で、すでにある程度、(移籍先が)決まっていそうなシチュエーションもあったのです。タンパリング(事前交渉)はできませんから、FAは確かな情報を得るのに苦労します。いろんな要素が入り混じった中、交渉には動かなかったということです。」