ラミレス監督が今さら「今季ベストゲーム」の“?発言“も佐野が偉大な記録へ夢つなぐ球団タイ記録の5試合連続20号
これで11日の阪神戦から5試合連続の一発。1968年の長田幸雄、1977年の田代富雄、2004年のタイロン・ウッズ、2008年の村田修一、2013年のトニ・ブランコといった横浜DeNAの歴代アーチストに並ぶ球団タイ記録である。 だが、佐野は謙虚だった。 「凄く嬉しいが、5試合出ていることにビックリしている」 そして20号の大台の乗せても「自分はホームランバッターではない」と言う。 「しっかりと自分のスイングをして、強い打球が(外野を)抜けていく延長戦上にホームランがあると思っている。ホームランの数字にあまりこだわりはないのかな」 「つなぎの4番」が真の大砲に成長した。 筒香嘉智がポスティングによりメジャーへ移籍。4番不在となりラミレス監督は、昨年まで主に代打要員だった佐野を4番&キャプテンに抜擢した。ある意味、「賭け」とも言える起用で、「ラミレス監督は、どこまで佐野を我慢できるのか」という見方もあった。 だが、佐野は嬉しい裏切りを見せた。 「僕はつなぎの4番」と語り、コンスタントにヒットを重ねた。ただ開幕から27試合、115打席ホームランが出なかった。 今季1号は開幕から約1か月後の7月22日のヤクルト戦。この試合後、ラミレス監督は「ここからどんどん出る。15本は打つ」と、本塁打量産を予言していたが、ここから佐野の試合前のバッティング練習のスタイルにも変化が生まれた。必ずフルスイングを入れてスタンドに放り込むようにしたのだ。 「シーズンに入ってなかなかホームランが出なくてバッティング練習からしっかりと振らなきゃいけないと思っていた。バッティング練習でしっかりスイングして試合に挑む。これがホームランにつながっている」 ラミレス監督からもアドバイスがあった。 「ホームランボール(甘い球)に対してはホームランスイングをしなさい」 たとえカウント3-0からでも「4番なんだから狙えばいい」とも言われた。 指揮官から「リミッターを外すこと」を許可された言葉は、佐野の脳裏にしみこみ、アーチストへと進化していく原動力となったのである。 7月4本、8月6本、9月4本と、コンスタントに本塁打をマーク、そして10月に早くも6本と、まとめ打ちの量産体制に入った。