なぜ交代?なぜヤスアキ?阪神戦で継投裏目のラミレス采配にネット炎上…球界大御所は「巨人を独走させた原因のひとつ」
横浜DeNAが22日、甲子園で行われた阪神戦に3-6で敗れて連敗、借金生活に舞い戻った。3安打2失点と好投の坂本裕哉を5回、65球で降板させ、山崎康晃を投入した継投が裏目に出て6回に同点に追いつかれると、回跨ぎをさせた石田健大が8回につかまって勝ち越しを許した。ネット上ではラミレス監督の継投ミスに批判が殺到しているが、球界大御所の元ヤクルト、西武監督の広岡達朗氏も「巨人独走の原因のひとつがラミレス監督にある」と厳しく指摘した。
不可解な坂本65球降板と山崎康晃の起用
ラミレス監督の”迷走”が止まらない。 3-2で迎えた6回、先頭打者だった坂本の打席に代打を出し、まだ65球しか投げていないルーキーを下げたのだ。しかも、わずか1点のリードでマウンドを預けたのは、まだ不安定なピッチングが続き、敗戦処理や大差リードの展開での起用を続けてきた”元守護神”の山崎だった。最速153キロ。球速は出ているが、いわゆる打者からは見やすいストレートの質としては苦しいボール。そして“伝家の宝刀“ツーシームが落ちない。腕を振り切ることができず、置きにいっているようなツーシームである。 一死から近本、糸原、糸井に3連打を浴びて同点にされた。糸井には簡単に151キロのストレートを逆方向の三遊間へタイムリーを狙い打たれた。さらに続くピンチにサンズ、大山を打ち取ったが、サンズは、落ちないツーシームを打ち損じただけ。明らかに1点リードの6回に出すには人選ミスだった。 不調で2軍落ちしていたロペスがスタメン復帰。外国人枠の問題でエスコバーをベンチ入りメンバーから外し、必勝パターンの中継ぎ陣が一人足りない状況にあった。しかも、坂本は、3回に近本に先制2ランは浴びたが、低めに変化球をコントロールできていて阪神打線は戸惑っていた。5回は下位打線ながらテンポよく三者凡退に抑えていた。チーム状況を考えても、続投の選択肢がベストだったのだろう。
ラミレス監督は、坂本の交代理由として、近本、糸原が右投手よりも左投手に高打率を残しているデータがあることを示したようだ。確かに近本は対右投手の打率.285に対して対左投手の打率は.301、糸原も対右投手が.269、対左投手が.319で左投手に強いデータがある。ラミレス監督、得意のデータ野球である。 だが、データよりも調子など、今目の前で動いている状況の判断が大事な局面がある。しかも、ラミレス監督は、その采配理由と矛盾する継投をその後、続けたのだ。 3-3の同点で迎えた7回から登板、3人でピシャリと抑えた3番手の左腕、石田を8回にも回跨ぎで続投させ、代打の陽川から、左投手に強いデータのある近本、糸原と、回る打順にぶつけたのである。先頭の陽川に左前打を許し、続く近本の投手前のバントを石田が二塁に悪送球するというミスもありピンチが広がったが、一死二、三塁から糸井に2点タイムリー二塁打を打たれて勝負あり…ラミレス監督の継投が裏目に出た。 ラミレス監督は、先攻めであることから延長10回を想定したのかもしれないが、ブルペンにはパットンも残っていた。 ネット上はベイファンの批判と怒りの声で炎上した。 「(1点リードの6回に)ヤスアキはありえない。いや、普通は交代すらありえない」「どんな理由があろうと間違いなく継投ミス。結果論とかそんなレベルでないミス」「継投の下手さは致命的」「ラミレス監督の言っていることは意味不明」 本拠地データを使い、2番で初起用した大和がサヨナラを打ったり、不調のオースティンを逆に3番に打順を昇格させ成功するなど、ラミレス監督のデータと感性を合わせたユニークな采配が的中するゲームもある。だが、その一方で、パットンのオープナー起用や、執拗に続ける「8番投手」など、根拠不明の不可解な采配で落としたゲームも少なくない。ファンは奇策で勝つより、定石で勝つべきゲームを確実に勝つことを望んでいるのだ。