スペインの知将は浦和レッズを復活に導けるか?
野心あふれるスペインの知将は、浦和レッズを復活へと導けるのか。J2初優勝と7年ぶりとなるJ1昇格を置き土産に、2017シーズンから4年間指揮した徳島ヴォルティスを退団。今シーズンから浦和を率いるリカルド・ロドリゲス新監督(46)が17日、オンラインによる就任会見に臨んだ。 徳島では対戦相手や試合状況によって4バックと3バックを併用しながら、ゴールキーパーや最終ラインから長短のパスを介して丁寧に攻撃をビルドアップ。その上で前線から積極果敢にボールを奪いにいく戦い方と、自陣にリトリートする時間帯を使い分ける変幻自在なスタイルを確立させた。 昨シーズンのJ2リーグでは総得点67が水戸ホーリーホックに次いで2番目に多く、総失点33はアビスパ福岡に次いで2番目に少なかった。攻守両面で抜群のハーモニーを奏でるサッカーを、来日5年目で初めて臨むJ1のステージでも構築していくと、スーツ姿で登壇した指揮官は明言した。 「J1での経験はありませんが、もちろん自信はあります。これだけの選手たちといままで自分がしてきたことを踏まえていけば、必ず上手くいくと思っています。レッズがよかった時期をさらに超えていけるような、見ている人が楽しいと思える、素晴らしいサッカーをしていきたい」 徳島では4年連続でキャプテンに指名したボランチの岩尾憲を介して、自身のイズムをピッチの上に投影し続けてきた。2019シーズンのJ1参入プレーオフを含めて、4年間で戦った171試合のうち岩尾は166試合に出場。1万5390分を数えた総プレー時間のうち、実に約96%にあたる1万4715分でプレーしてきた軌跡を考えても、岩尾を絶対的な存在にすえてきたことがわかる。 変幻自在なスタイルを新天地レッズへ浸透させていく上でも、ロドリゲス監督は徳島時代と同じアプローチを取るだろう。ならば、岩尾と同じ役割を誰に託すのか。戦術理解度の高さと背中を介して発現されるリーダーシップを考えれば、元日本代表の阿部勇樹が適任となる。