巨人に電撃移籍した中田翔の“早すぎる代打デビュー”にネット炎上…逆転Vへの切り札となれるのか、それとも…
「交流戦で中田の打撃をチェックしたが、レフトスタンドに気持ちがいき体の開きが早かった。引っ張れる甘いボールだけを狙っているから外の配球で簡単に料理されていた。だが、この日は、しっかりと左足を踏み込みベース板に体が乗るほど体が開いていなかった。気合が入っているのがわかった。第2打席はファウルで3球粘り最後は抜いたスライダーに泳がされたが、スイングはできていた。この状態の中田なら結果は出る。打つと思う」 中田は4日のエキシビションマッチを途中で退いて以来、実戦から遠ざかっていて、ファームでの試運転もなしにいきなり1軍起用されたが、そのブランクは感じさせなかったという。もし中田が31本塁打、108打点を叩き出した昨年のような打棒を取り戻せば、巨人の補強ポイントにマッチする。 原監督は、この日、打線を活性化させるために1番で吉川を起用するなど打線を組み替えたが、横浜DeNAの先発ロメロの「動くボール」の前に内野ゴロの山を築いた。右打者はツーシームとカットボールで揺さぶられ左打者はツーシームとチェンジアップのコンビネーションの罠から抜け出せなかった。打線強化がテーマの巨人にしてみれば“新戦力”として中田への期待は大きい。 高代氏は、「元々一塁とレフトが巨人の補強ポイントでスモークを獲得したが途中退団した。実績のある中田は、未知数の外国人よりも計算が立つ。中島も今は調子がいいが、シーズンを通して見ると物足りなさがあるだけに中田を一塁でスタメン起用するケースが増えてくるのではないか」と予想した。 この日は、原マジックが空回りした。 同点とした次の7回。ここまでソトに許した16号ソロだけで踏ん張っていた戸郷が一死二、三塁のピンチを作り、7番の柴田をカウント0-2と追い込んだところで、左腕の大江にスイッチするという異例の継投策に打って出た。 だが、大江は初球に甘いスライダーを投じ、センターへの勝ち越しの犠飛を打たれた。続く山本にも四球を与え、代わった3番手の鍵谷も代打、牧に3ランを浴びるなど、この回、5失点のビッグイニングを献上することになってしまった。 「原監督の打席途中の継投は、これが初めてではない。0-2のカウントと球数が100球を超えボールが浮いてきた戸郷の7回の状態を判断し1点をやらない1球勝負の継投を仕掛けたのだと思う。原監督の意図する結果は三振だったのだろう。打者の側からすると、これほど嫌なことはない。いきなり変則左腕に変わるのだ。大江は3球ボールを投げられる余裕があったのだからストライクを投げる必要はなかった。采配に応えることのできなかった失投。鍵谷が牧に打たれた3ランも失投。采配ミスというよりもベンチの意図をくみ取れなかった選手のミスだった」というのが高代氏の分析。 デーゲームでミスを連発した阪神が中日に敗れて3連敗しており、もし巨人が勝てば勝率で首位に立てるところだった。逆に連敗を止めた3位のヤクルトとのゲーム差が0.5となり“お尻”に火がついた。球界を激震させる電撃トレードで中田を戦列に加えた巨人はペナントレースを左右する重要な局面を迎えているのかもしれない。