巨人に電撃移籍した中田翔の“早すぎる代打デビュー”にネット炎上…逆転Vへの切り札となれるのか、それとも…
中田が後輩選手に暴力行為を働いたのが4日のエキシビションゲームの試合前。そして球団が統一契約書、野球協約に抵触する行為だと判断して「無期限出場停止処分」を科したのが11日。その「無期限出場停止処分」が巨人移籍と同時に解除され、たった10日で現場復帰したことに対し「早すぎる」、「野球界は甘い」、「巨人にモラルはないのか」、「更生機会は与えられるべきだが反省の期間があまりにも短すぎるのでは?」などの批判の声が殺到した。 一方で「これからの姿勢で示すしかない」などのエールもあったが、“場外”で巻き起こった賛否の声は、中田がV奪回の切り札となるのか、それともチームを空中分解させる“火薬庫”になるのか…。“諸刃の剣”的な立場になる危険性を暗示した。 侍ジャパンのコーチとして、2013年のWBCで中田と一緒に日の丸を背負って戦った経験のある元阪神コーチの高代延博氏は、こういう見解を持つ。 「コンプライアンスに注意している巨人が暴力問題を起こした中田を引き受けることになるとは予想もできなかった。事情は知らないが、栗山監督が原監督にお願いする中で、原監督も、このままいけば選手生命さえ危ぶまれる中田の未来を考えて決断したのだろう。無期限出場停止処分だった選手が、事件を起こし1か月も経たないうちに1軍グラウンドに立つことに賛否の声が出るのは当然だと思う。ただ本人も、そして原監督も、悩んだ末、そういう批判を承知の上で前へ踏み出すことを決断したのだろう」 WBCという短い期間ではあったが、高代氏は、合宿などを通じて中田の人となりも見てきた。 「環境に左右される選手だと感じた。8年前のWBCのチームでは若手だったこともあり全員と一致団結して集中力もあった。鳥谷の盗塁と井端の同点タイムリーから逆転勝利して盛り上がった日本ラウンドの台湾戦も決勝点は中田の犠飛だった。日ハムでも優勝争いしているときは野球に集中できていたのかもしれないが、今年はチーム成績も低迷し中心選手として結果を出せなかったことでフラストレーションもたまり絶対にやってはならない行為につながったのかもしれない。だが、大巨人は中田が変わる可能性がある環境の整ったチーム。優勝争いの緊張感があり、このチームでは気の抜いたプレーなど絶対にできない。前に踏み出した以上、中田は批判の声があることを心で受け止めて野球ができる喜びを感じてプレーしなければならないと思う」 “エール”を送る高代氏は、この日の巨人デビューの2打席を見て、中田はチームを空中分解させる“火種”ではなく「戦力になる」可能性を感じたという。