「夫婦同姓は日本だけ」国連委から3度の是正勧告も 職場と戸籍“2つの姓”で直面する課題 働く女性が政治に求めることは【衆院選2024】
27日は衆院選の投開票日。注目されるテーマの1つが「選択的夫婦別姓」です。 結婚後、どちらかが姓を変えなければならない現状に対し、議論が高まっています。
抱える“2つの姓” 仕事で旧姓を使う女性が直面する課題
去年1年間で47万組、約95万人の男女が夫婦になっています。結婚をする際に、決めなければいけないのが結婚後の姓です。 民法では「夫婦は夫または妻の氏(姓)を称する」と規定されています。そのため、役所に届け出る婚姻届には、結婚後の姓を選択する欄があります。 一見、男女が平等に見えるこの制度ですが、実態は約95%の夫婦が夫の姓を選択しています。
結婚後も仕事では旧姓を使っている弁護士の高木野衣さん。旧姓を使用することで直面する問題があるといいます。 (高木さん)「特に問題はないのかなと簡単に考えてしまっていたんですけども、実際に(旧姓を)使い始めるとやっぱり不便な部分というのは出てきました。財産管理とか意思決定支援の仕事を多くやっていて、金融機関には私の戸籍名が表示された本人確認書類を出します。そうすると、目の前に来ている私が、戸籍名の人と弁護士の高木が一緒なのかというのを証明しないといけなくて」 「『高木野衣という人物が京都弁護士会に所属しています』っていうのを弁護士会が証明してくれる(証明書)。(旧姓を使用すると)追加書類が必要になる。フリーランスの方は証明書を発行してくれる人が、対象がない。私の場合は弁護士会がある程度公的なものとして出してくれますけども、そういうものがない人にとってはかなり死活問題になるのかなと」
経団連も早期実現求める“選択的夫婦別姓” 保守派の反発で進まない法整備
2つの姓を抱えることで直面するこうした問題には、経済団体からも改善を求める声が上がっています。 (経団連 十倉雅和会長)「姓、名字の問題は当事者個人の問題として片づけることができない企業にとってビジネス上のリスクとなっております。そこで経団連では政府に対し、夫・妻それぞれが希望すれば、生まれ持った姓を戸籍上の姓として名乗れる制度の早期実現を求めてまいります」 政府に対し、早期の実現を求めた「選択的夫婦別姓」とは、夫婦が望めば結婚した後もそれぞれの結婚前の姓を称することを戸籍上も認める制度です。
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