これから学費は?奨学金は? 選挙で「教育」はどう変わる?【衆院選2024】
大阪府箕面市にある学習塾「渡塾」では塾長の渡剛さん(35)が母子家庭だったことなどから、ひとり親家庭の支援に力を入れています。 (渡剛塾長) 「お金の問題だったり精神的な問題で苦しい思いをしてきたというところがベースにあって。家庭環境によってその子の将来が左右されないような社会を作りたいなと思って立ち上げました」
ひとり親家庭の子どもは授業料が半額になります。さらに審査に通れば自己負担がゼロになる場合も。支援にかかる費用は、寄付で賄われています。 マンツーマンの授業で講師を務めるのは、大学生や大学院生の有償ボランティア。大学生と交流することで、進学を考えていなかった生徒が、大学に興味を持つケースもあるといいます。 (渡剛塾長) 「ひとり親の子の中には、そもそも大学に進学するって選択肢がない子が結構いるんですよ。大学っていうのがどういうものかを知らないまま、その選択肢を選ばないっていう風になってしまうのはすごくもったいないなと思っています」 現在、生徒は中学1年から高校3年までの35人です。
高校2年生の西条てるきさん(仮名)は塾のひとり親家庭支援制度を使い、中学1年生から通っています。てるきさんの母は、事務の仕事をしていますが、支援制度がなければ、塾に通わせることは難しかったといいます。 (母)「他の進学塾も見学に行ったことあるんですけど、値段見てひっくり返りそうになったので。毎月の食費以上だったりするのでどうやって捻出するんだって感じで」
国や自治体の制度で高校の授業料は無償となりましたが、学校指定のカバンやコート、カリキュラムに組み込まれた漢検などの費用は自己負担。これからは模試や大学の受験料も必要です。 (母)「子どもが0歳の時から学資保険には入っていたんですけど、それは大学入るときと1年の授業料で消えるだろうなと。経済的なことで自分がしっかりしないと、自分が倒れたら共倒れになってしまう」
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