「子育てのしんどいところは結局お金」物価高に苦しむシングルマザーたち 政治に望むことは…【衆院選2024】
いよいよ今週末に迫った衆院選。主な争点とされているのが「政治とカネ」の問題ですが、より生活に近い目線で「子育て支援」について考えます。目の前の生活に困難を抱える親たちが政治に願うことは。 【追い詰められた生活】「公園の水飲んでいた」「死にたいと思った」物価高に苦しむシングルマザーたち 支援する女性が政治に望むことは…
困窮する女性らの相談絶えず…シングルマザーたちを支援するボランティア団体の代表
大阪府茨木市の府営住宅。車に積んできた荷物を運ぶのは、社会福祉士の辻由起子(つじ・ゆきこ)さんです。 ボランティア団体「シェアリンク茨木」の代表として困難を抱える女性らの支援をする辻さん。シングルマザーを中心に、困窮状態の人からの相談が絶えないといいます (辻さん)「ひっきりなしに『お米ないです』とか『仕事に行けなくなりました』とか。そういう連絡がある度に走ってます」「(Q.自宅まで訪問?)そう」「今はみんなしんどいなって思っていて、(困窮は)特別な誰かの話ではなくなってきているっていう、コロナの後からの印象。社会全体が疲弊しまくっている」
そんな辻さん自身も、かつては支援を求める側でした。高校は府内トップレベルの進学校に進みましたが19歳で出産し、その後離婚。 シングルマザーに対する社会の理不尽さを痛感し、社会福祉を学ぶために通信制大学に。33歳で卒業し、支援する立場になりました。 (辻さん)「すごくたくさん受験勉強をしたけれども、子育てのやり方なんか、誰からも聞いたことも学んだこともなかった。若年で出産して、その時にいろんなところに『助けて』と言ったんですが、私の欲しかった助けがどこにもなくて」「制度も大事だけど、制度だけでは人は救われないという経験をしたので、本当にその人が望むことができるようなことをやりたいと思ってやっています」
ここに届けられる物資は食材や日用品のほか、親子のための洋服も。辻さんの活動を知った人が、善意で届けてくれているものがほとんどです。 (未就学児を育てるシングルマザー)「(食料支援の)フードパントリーとかはあるけど、シャンプーリンスとか日用品っていただけるところってなくて。でも絶対使うじゃないですか。だから本当に助かっています」 辻さんが大切にするのは、物資の提供だけではなく“つながり”をつくること。この活動自体が、母親たちの情報交換の場にもなっています。 (小学生を育てるシングルマザー)「中学生とか高校生の話を聞いたら、これから先のことが不安でしかない。今は小学生でお金はかかるけど、半分くらいしかかからないので。したくないけど、(子どもが)寝てる間に夜働きに行ってっていうのをせざるを得ないかな」