くまだまさしがコロナ禍で経験した初めての挫折と乗り越えた家族の絆「笑わないお客さんを見るのが初めてだった」
全国各地のイベントでネタを披露し、“営業の王様”と呼ばれるくまだまさしさん。「家族第一主義」と公言し、奥さまや17歳の娘さんとの様子をたびたびXにあげています。娘さんが生まれてからの変化やコロナ禍でのうつ病発症、それを経て感じるご家族への思いについてうかがいました。 ※前編<くまだまさしが語る17歳娘と仲良くいられる理由「娘を楽しませたい!もう“甘々くまちゃん”です」>から続く 【写真】奥さんと一緒にサングラス芸をするくまださん(他、全6枚) ■「娘に会いたい」から、早く家に帰る ――くまださんがネタに使う小道具は、奥さまと一緒に作っているそうですね。 娘が小さいときは、妻とネタをつくってそれを娘に見せるということをしていましたね。僕はよしもとの芸人の中で、営業に行っている回数が一番多いんです。そして養成所(東京NSC)に入ってから28年、どの現場に行っても絶対ウケる。お笑い芸人になってから、スベッたことが一度もないんです! ――確かにほかの芸人さんたちがテレビで「くまだまさしがスベっているのを見たことがない」と話しているのを聞いたことがあります。 今よしもとには6000人くらいの芸人がいるんですけど、正直ウケはトップクラスです。それは自信があります。なぜスベらないのかは、わかりません(笑)。ただ、娘にはスベりまくりで、一切笑ってくれないこともありますが……。 ――娘さんができて、ネタに変化はありましたか? それはないですね。娘にウケなかったネタでも舞台でやったら、やっぱりウケますから! ――考え方や生活に変化はありましたか? それはもう、すごく変わりました! 芸人としてテレビで売れたい、億万長者になりたいみたいな思いが全部吹き飛びました。売れる、売れない関係なく、とにかく家族の生活を守る、そのためにお金を稼ぐということに舵を切りました。 仕事が終わったあとも、まっすぐ家に帰ります。僕、芸人になってから、一切芸人づきあいをしていないんです。誰に誘われようが、全部断ってきました。芸人づきあいよりもネタづくりをしたいというのがその理由で。でも娘が生まれてからはその理由が「娘に会いたい」に変わりました。カッコつけた言い方をすれば、「明日死んでもいい」と思えるような毎日を送ろうって考えるようになったんです。だからできるだけ早く家に帰って、大事な人と時間を過ごしたいと思うようになりました。