くまだまさしがコロナ禍で経験した初めての挫折と乗り越えた家族の絆「笑わないお客さんを見るのが初めてだった」
――コロナ禍で営業のお仕事がなくなったことが影響しているんですか? そうです。何度も言って申し訳ないですけど、僕、お笑いに関しては挫折がなかったんです。コロナ禍の規制で、客席で声を出して笑っちゃいけない時期がありました。笑わないお客さんを見るのが初めての経験で、今後どうしていけばいいのかわからなくなったんです。すべてを奪われてしまったように感じました。 ――スベり知らずだからこそ、ギャップが大きかったんですね。 中川家さんからは「くまちゃん、大丈夫。何とかなるよ」ってよく言ってもらったんですけど。笑いがなくても気にしない、とは開き直れなくて。やばい、どうしようっていう葛藤があって、気づいたら胃がおかしい、眠れないとか体に異変が出るようになりました。1年間くらいはボロボロでしたね。 ――娘さんも心配だったでしょうね。 子どもに弱っているところを見せたくないという気持ちはあったのですが、そうも言っていられない状況でした。だから弱っているところから復活する姿を見せられればいいやと思うようになって、その気持ちがあったから乗り越えられたのかもしれません。 ――今は完全に回復されたんですか? 9割は治っていると思います。ウォーキングを毎日するようになったり、より一層仕事を頑張りたいと思うようになったり。今はうつになったことをプラスに捉えています。 ――ご家族の絆がとても伝わりました。 あれ、今何時ですか? 妻を迎えに行かないと。妻もこの近くで仕事が終わるから、待ち合わせしているんです! ※前編<くまだまさしが語る17歳娘と仲良くいられる理由「娘を楽しませたい!もう“甘々くまちゃん”です」>から続く (構成/中寺暁子) 〇くまだまさし/1973年生まれ。東京都荒川区出身。東京NSC(吉本総合芸能学院)に2期生として入学し、1997年にデビュー。小道具を使ったネタを武器に「エンタの神様」(日本テレビ系)、「爆笑レッドカーペット」(フジテレビ系)などに出演し、人気を博す。
中寺暁子