阿部寛「ドラゴン桜」クライマックスへ 個性的な生徒役キャストも注目集める
加藤清史郎、鈴鹿王子、志田彩良、細田佳央太も個性発揮
優秀な弟と比較され続け劣等感がしみついている天野晃一郎役は加藤清史郎(かとう・せいしろう)が好演。子役時代からおなじみ、生後2ヵ月から劇団に登録し1歳1ヵ月でデビューしたというまさに役者になるために生まれてきたような人生を歩む。現在19歳、可愛かった顔もすっかり顔立ちが整って好青年になった。今作でもナチュラルで盤石な芝居を見せている。 学年トップの成績を誇る藤井遼を演じるのは鈴鹿央士(すずか・おうじ)。鈴鹿は高校2年のときエキストラで参加した映画ロケで広瀬すずの目にとまりスカウトされたという逸話の持ち主。キャリアはまだ長くないが、ひとつひとつの役柄をていねいに演じ着実に実力を高めている。今作では優秀ゆえに他人を見下す癖がありつつも繊細な内面を持つ藤井という人物を、気持ちの移ろいとともに的確に伝えている。現在21歳、期待のかかる若手俳優の一人だ。 学園文系トップの小杉麻里役を演じる志田彩良(しだ・さら)は現在21歳で、2013年から15年の休刊までティーン向けファッション誌「ピチレモン」(学研プラス)の専属モデル、いわゆるピチモとして活躍した。14年に初主演した短編映画「サルビア」で俳優デビュー後はドラマに映画に着実に演技のキャリアを重ね、メディアなどでもネクストブレイク女優として注目され続けている。ピチモ時代に培ったのだろうか、時折見せる視線の強さは印象的だ。 昆虫が大好きで心優しい原健太役は細田佳央太(ほそだ・かなた)。細田は小学生の頃から芸能活動を始め、ドラマや映画で活躍してきた。健太はとある問題を抱えるが同時に彼にしかない才能を持ち合わせているという役柄で、細田が熱演を見せている。2019年には映画「町田くんの世界」(石井裕也監督)に主演し多数の映画賞でノミネート、受賞をしている。今作で健太を演じるため短期間で12キロ体重を増やすなど、演技にかける情熱とプロ意識の高さが素晴らしい。