北アルプスに「伝説の登山道」、父の遺言で40年ぶりに復活 「まさに秘境」急流渡り、岩上り、温泉の噴気、急登…その先に絶景が
取材後の10月下旬には、新道を登っていた2人パーティーが下山中に道に迷う遭難事故も起きた。幸い、野営装備を持っていたおかげで数日後に無事救助されたが、自分も同じ道を歩いていただけにショックだった。 敦子さんによると、復活前の新道は、沢登りの上級者のみが通行できるような場所だった。昨年訪れたのは300人未満。それが新道復活で今年は一転して盛況になり、千人ほどが訪れた。山荘にも水量や装備に関する問い合わせが相次いだ。 この記事を通して「新道ファン」が1人でも増えたら本望だが、「女性でも登れたのだから、行けるだろう」などと安易に考えず、天候や水量、ガイドの有無などリスクを考慮しながら安全に冒険を楽しんでほしい。