【ABC特集】すでに閉館しているのに・・・ 維持費だけで10年7000万円の税金を投入してきた大阪市の「負の遺産」がついに汚名返上!? 24日に「なにわの海の時空館」の後継事業者が決定
23年前、大阪市政100周年記念事業として「なにわの海の時空館」がオープンしました。 【動画で見る】【最後の負の遺産】維持費10年7000万円の税金を投入 大阪市の「なにわの海の時空館」 ついに後継事業者が決定 (大阪港湾局・高橋さん) 「『水の都大阪』で栄えてきた大阪ですので、大阪の港の歴史、これを皆さんに伝えていくということは大切なことだという認識のもとで、海洋博物館というのをここで作らせていただきました」
総工費は176億円でフランスの建築家がデザインしました。4200枚ものガラスが使われています。オープン当初は盛況だったのですが、残念ながらそれは最初の年だけ。客足は途絶え、累計約36億円の大赤字を出し、いつしか「ムダの象徴」と呼ばれるようになってしまいました。結局、2013年に閉館。いま、中はどうなっているのかというと・・・
中はボロボロ 展示品も残されたまま
(岡谷藍・内政班記者) 「元喫茶スペースですが、当時展示されていた船の模型が置かれています」 売却できた一部を除き、展示品はほとんど当時のまま。ですが、そこには10年の月日がたった証がありました。
(岡谷藍・内政班記者) 「点字ブロックが乾燥してボロボロになっています。においは湿気のにおいなのか、ちょっと鼻がツンとなるにおいがしています」
さらに、ドームの中へ進んでいくと海中通路が。 (記者)「これ、海の中ですか?」 (職員)「当時は窓ガラスからきれいに外が見られたらしいです」 (記者)「当時は海の中が見える状態だったということですね」
目玉展示だったのに・・・いまやジャマもの扱い!?
そして、この海中通路の先にあるのが、菱垣廻船「浪華丸」です。 「浪華丸」は江戸時代、物流のため大阪と江戸を結んでいた巨大な船を、大阪市が10億円をかけて再現したものです。 (記者)「10年間放置されたとは思えないくらい、かなり綺麗なまま残っています」 完成度が高く、時空館一番の目玉展示だった「浪華丸」。しかし、建物全体の活用を考える上で、この目玉展示こそが大きなハードルとなったのです。 (記者)「船を外に出すためには周りのドームを全て外す必要があるそうで、試算では5億円以上かかるということです」 「だったら取り壊せばいいじゃない」という意見もあったようなんですが、その完成度の高さゆえ、当時から船の取り壊しには反対の意見が根強くあったといいます。
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