“最後の負の遺産”「なにわの海の時空館」 大阪の観光コンサルタント会社が新たな事業予定者に決定
利用低迷で10年前に閉館した後、建物が未使用のまま残され、大阪市の「負の遺産」とも位置づけられる「なにわの海の時空館」を、新たに活用する事業予定者が、ついに決まりました。大阪に本社を置く観光コンサルタント会社です。 「なにわの海の時空館」は、大阪市制100周年事業の一環で、総工費176億円をかけて作られた海洋博物館で、2000年にオープンしました。 しかし、入館者の低迷が続き、2013年に閉館。その後、市は2回、事業者の公募を実施しましたが、いずれも応募がありませんでした。 大阪港湾局によりますと、閉館からの10年で、維持費は約7000万円に上るといいます。
市は今年9月、3回目の公募を実施し、2つの事業者が応募しましたが、審査の過程で1社が辞退。 24日の価格提案審査で、観光コンサルタント会社の「シンフォニックスリール」(大阪市中央区)が、事業予定者に決まりました。 「いのちを満たすミュージアム構想~Premium Jewelry Dome Osaka~」をコンセプトに掲げ、ガラス張りのドームや、時空館の目玉展示だった「菱垣廻船」を活用して、MRなどの最新技術を使った体験型ミュージアムにしていくとしています。
市が公表した審査結果によりますと、同社の計画提案審査の評価点は、100点満点中61点でした。 審査した有識者からは「提案内容の中には不確定要素もあるため、事業のリスクはあるものの、ある程度思い切った事業展開をしないと、時空間そのものや周辺エリアの活性化にはつながらない」「難しい事業者公募に対し、積極的に応募された事業者には敬意を表したい」などの評価が出たといいます。 同社の担当者は「万博や大阪IRがあって、時期的に好機だと思っている。『大阪の負の遺産』と言われているが、私たちは今回、その思いを払拭していきたい」と話しています。 今後、同社は建物を約6100万円で買い取り、土地の賃料として月額で約198万円を支払う契約を、年内にも結ぶ予定です。
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