【速報】生活保護費引き下げ訴訟 受給者らの控訴を退ける 基準額を最大10%引き下げ 大阪高裁
生活保護費の引き下げ決定の取り消しを巡る控訴審で、大阪高裁は受給者らの控訴を退けました。 訴えによりますと、厚生労働省は物価の下落を考慮し、2013年から2015年にかけて、生活保護費のうち光熱費や食費などの生活に必要な費用である「生活扶助」の基準額を最大10パーセント引き下げしました。 兵庫県内に住む生活保護受給者らは、引き下げ処分が「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」が保障された憲法25条や生活保護法に違反するなどとして、国や神戸市などの自治体に対し取り消しなどを求め訴えを起こしていました。 2021年12月、1審の神戸地裁は「物価下落のためおこなったデフレ調整などによる厚生労働大臣の引き下げ判断は不合理なものとはいえない」などとして、訴えを退ける判決を言い渡し受給者らは控訴していました。 大阪高裁は1審の判決と同じく「厚生労働大臣の判断や過程に裁量権の逸脱または乱用は認めらない」などとして受給者らの訴えを退けました。 判決に対して控訴人である受給者の86歳男性は「今物価があがってきてるが国は認めようとしない。腹立たしいおもいで戦ってきた。1日でも長く生き延びて最高裁で戦っていきたい」などと話しました。 受給者らは最高裁に上告する方針です。 神戸市は「今後とも生活保護業務を適切に遂行できるよう努めて参ります」とコメントしています。 生活保護費の引き下げ訴訟をめぐっては、同様の裁判が全国で起こされていて控訴審の判決は今回で4例目となります。去年11月の名古屋高裁判決を除き、ほか3例は受給者らの訴えが退けれられています。