【ABC特集】「限界です、正直言いまして」(バス会社社長) 「全国の路線バス事業者のうち黒字を出しているのは6%ほど」(専門家) 運転手不足に乗客減少で路線バスがピンチ!
2023年12月20日、大阪府の富田林市や河南町など4つの市町村を中心に走る路線バス「金剛バス」が廃止されます。 運行する金剛自動車によると利用者は1日平均2600人ほどとのこと。一部の地域では唯一の公共交通機関がなくなってしまうという異常事態に、沿線に住む利用客からは不安の声が・・・。 【動画で見る】【困ったときに誰も助けてくれなくなる】“都市部”でも相次ぐ路線バス廃止 “地域の足”どう守る 女性(73)「なくなったら大変や、どこにも行かれへん」 男性(81)「そのうちこういうことが起こるんじゃないかなと」
高齢になって車の運転が難しい人や、通勤通学で利用する人にとって死活問題となる路線バスをなぜ廃止することになったのでしょうか。金剛自動車の白江暢孝社長が、9月に廃止を明らかにした直後、報道陣の取材にその苦しい事情を明かしました。 (白江社長) 「乗務員の人材不足が原因ということです」 「限界です。正直言いまして」
■退職で運転手が30人⇒17人 深刻な人手不足
原因は人手不足。数年前までおよそ30人の運転手が勤めていたものの、去年秋ごろから退職者が相次ぎ、いまは17人に減少。他社から3人の派遣を受け、20人の運転手で広大な路線を運行しているというのです。 廃止される路線の自治体(富田林市・河南町・太子町・千早赤阪村)が協議し、廃止後は、近鉄バスと南海バス、そして沿線のそれぞれの自治体が代わりにバスを運行することで、ほとんどの路線は維持されます。しかし、減便や運行時間の縮小は避けられません。
(4市町村協議会 松田貴仁 会長) 「100%まで至っていないのは事実だが、現時点では精一杯の形かなと考えています。金剛自動車さんがゼロになったのを少しでもなんとかリカバリーする」
(協議会の傍聴に来た太子町の住人(79)) 「夜8時くらいに絶対帰ってこないと何もなくなってしまう」 「他に行くところないし困ります」 (協議会の傍聴に来た河南町の住人(69)) 「河南町だけの問題ではない全国へ波及していく問題」
■あなたの町も他人事じゃない?
バスの統廃合の問題は大阪だけではありません。11万7000人あまりが暮らす(2023年10月1日時点)ベッドタウン、奈良・生駒市では、路線バスの再編案が浮上しています。