再び始まる〝二刀流〟物語 大谷翔平の次なる照準は「ワールドシリーズ連覇」
新たな年が幕を開けた。2025年も、スポーツ界の話題の中心は米大リーグ・ドジャースの大谷翔平(30)に違いない。23年秋に受けた自身2度目となる右肘の靱帯(じんたい)再建手術(通称トミー・ジョン手術)を経て、今季は再び投打〝二刀流〟でのシーズン完走を目指す大谷。目標だったワールドシリーズ(WS)制覇を味わい、次に見据えるは、「もちろんWS連覇」だ。 ■WS連覇は7球団14度 ドジャースに移籍し、打者に絞って臨んだメジャー7年目の昨季は、記録ずくめのシーズンだった。159試合出場で54本塁打、59盗塁をマークし、前人未到の「50本塁打、50盗塁」を達成。7年間の通算で225本塁打を積み上げ、松井秀喜の日本選手最多記録(175本)、秋信守(韓国)のアジア選手最多記録(218本)を塗り替えた。 自身初のポストシーズンでWSを制し、指名打者(DH)専任では初となる自身3度目の最優秀選手(MVP)も手にした。はたからは全てを手にしたようにも見える。それでも「次に欲しいものは?」と問われると、よどみなく言葉をつむぐ。 「もちろん連覇したいというのが一番。毎年、必ずどこかしらのチームが優勝するものだけど、連覇となると話は別。かなり回数が限られてくるし、それだけ特別な、難しいことだと思っている。そこが一番やりたいこと」 移籍市場が活発化する昨今、戦力均衡を心がける大リーグでのWS連覇は1998~2000年に3連覇したヤンキースが最後。21世紀に入ってからは一度もない。1903年からの長い歴史を振り返っても、30球団のうち7球団で14度に留まる。これまでWSを8度制しながら、連覇は1度もないドジャースに新たな勲章をもたらすことが、目下の目標だ。 自身の右腕が、その浮沈を握ることになるだろう。現在は昨年10月のWSで脱臼した左肩のリハビリをしながら、投手復帰を見据えた練習も進めている。ドジャースは昨季、投手陣に故障が相次いだ。「どちらも規定(打席、投球回)に近いくらいが理想」と、年間を通じて二刀流で戦ったエンゼルス時代の2021~23年の姿を思い描いている。 ■足るを知る