再び始まる〝二刀流〟物語 大谷翔平の次なる照準は「ワールドシリーズ連覇」
昨年7月に30歳の誕生日を迎えた。野球人としてのピークを「どれだけ維持できるのか、向上していけるのか」。老け込むつもりはないが、「パフォーマンスが低下してくる先(未来)も見据えて取り組まないといけないことはたくさんある。考えたくないところも考えなければいけない、そういう年になってきている」と客観視する。
同時に、ここ3年ほどで「『足るを知る』じゃないですけど、『十分足りているな』『ありがたいな』と思う部分が周りの環境も含めて多くなってきている」と心境の変化も明かす。「長く続けたい」とこだわる二刀流も、健康な体とチームの理解がなければ成り立たない。「最後に勝つことを想定して、シーズン中は(投打のバランスを)組み立てる必要がある」と、チームと相談を重ねながら最適な道を探っていく。
■醍醐味を発信
「野球しようぜ!」のメッセージとともに、日本全国約2万校の小学校に約6万個のグラブを届けると発表したのは23年オフのこと。連日満員の球場からは想像しづらいが、野球人口は世界的に減少の一途をたどっている。「充実した人生を送る機会を与えてくれた」という野球の魅力をいかにして広めていくか。大谷の答えは明快だ。
「いろんな形で貢献できることはたくさんあると思うけど、現役のときにやるべきことはグラウンドの中で自分のパフォーマンスをどれだけ高いレベルで発揮できるかどうか。ひいては、それが(野球振興の)貢献に一番つながると思う」
1年間を戦いきった先には、日本が連覇を狙う26年ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)も控える。初出場だった23年大会は投打で暴れまわり、歓喜の中心にいた。「呼んでいただけるなら、何回だろうと出場したい」。打って、走って、投げて、叫んで…。今年も全身全霊で、愛する野球の醍醐味(だいごみ)を世界中へ発信していく。(川峯千尋)
■東京ドーム開幕戦 今永ら所属のカブスと対戦
大谷翔平、山本由伸を擁するドジャースの2025年開幕戦は、日本が舞台となる。3月18、19日、今永昇太と鈴木誠也が所属するカブスと東京ドームで激突する。