乳がんか卵巣がんの人が血縁者にいたら「遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC)」について知っておくべき!【更年期女性の医療知識アップデート講座】
乳がんになって時間がたってもHBOCは検査できる!
乳がんや卵巣がんにすでにかかった経験があって、HBOCの可能性を疑う人はどうすればいいのでしょうか? 専門家である和泉美希子先生(昭和大学病院臨床遺伝医療センター 認定遺伝カウンセラー・同指導者)に聞いた。 「乳がんに過去罹患した人は、術後しばらく(数年)たってからでも、HBOCの診断を目的とする遺伝学的検査を検討できます。まずは主治医にご相談ください。乳がんを発症している女性では、45歳以下の発症など一定の条件に当てはまる場合、遺伝学的検査は保険適用となります*」 *保険適用の条件は<https://shiritai-hboc.jp/genetic_test/#terms>でチェックを 費用は、3割負担の場合で約6万6000円。保険適用で行われた場合は高額療養費制度の対象になる。検査は採血で行われ、結果が出るまでに約2~3週間かかる。
乳がんになっていない自分が遺伝学的検査を受けられる?
例えば、血縁者に乳がんや卵巣がんの人(がん既発症)が複数いるけれども、HBOCの検査はしていないのでHBOCかどうかは不明。その場合、がんになっていない自分(がん未発症)がHBOCかどうかを調べることはできるのだろうか? 「まずは、がんを発症している血縁者に検査を受けていただくのが基本です。すでに乳がんか卵巣がんを発症している方であれば、一定の条件はありますが、保険適用で遺伝学的検査を受けられます。もし、がんを発症している血縁者が、検査の結果HBOCとわかったら、そこで初めてがん未発症の人にも遺伝学的検査を提案することが一般的です。 けれども、がん未発症の人は自由診療になりますので、医療機関によって異なりますが数万円かかります。下記のHBOCに関連する遺伝カウンセリングを行っている医療機関で相談されるのがよいと思います」(和泉先生) 一般社団法人日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構(JOHBOC)ウェブサイト「認定施設一覧」<https://johboc.jp/shisetsunintei/shisetsulist/>