【Cycle*2024 ツール・ド・フランス2024 レースレポート:第19ステージ】“タデイ・ポガチャル劇場”ここに決まる イゾラ2000で驚異の追い上げ、クイーンステージ完勝でツール覇権奪還へ大きく近づく
先頭はカラパス、ヨルゲンソン、ケルデルマン、サイモン、ジャイ・ヒンドレー(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)の5人。上り同様に長い下りをこなして、イゾラの街に達すると残りは約16km。勝負の最終登坂、イゾラ2000である。高度にして904mから2024mまでを駆け上がる。
上り始めて3kmほど進んだところでヨルゲンソンがアタック。カラパスが追う姿勢を見せるが、ケルデルマンが抑えに回ったことでヨルゲンソンはリードを広げていく。この時点でメイン集団とのタイム差はおおよそ3分20秒。
集団はUAEチームエミレーツのペーシングで変わらず。アダム・イェーツの牽引で残っているのは個人総合上位陣のみとなる。
その瞬間は、フィニッシュまで10kmを切ったところで訪れた。マイヨ・ジョーヌの腰が上がった。レースリーダーのポガチャルみずからの攻撃には、誰もついていくことができない。ヴィンゲゴーはポガチャルを追わず、個人総合3位につけるレムコ・エヴェネプール(スーダル・クイックステップ)をマークしながらの登坂。残り5kmでのレムコのアタックはチェックして、総合2番手キープにシフトした。
こうなると、ポガチャルが別次元の走りをしていることを認識させられる。3分以上あったヨルゲンソンとのタイム差はあっという間に縮まって、フィニッシュ前2kmでついに追いついた。背後につくや、再びのアタック。ヨルゲンソンに反応させる余地を与えない。
「ヨルゲンソンは今日一番強かったと思う。絶対に追いつかれたくなかったから、追い抜くときに思い切ってスピードを上げたんだ。最後の2kmは苦しかったけど、ステージ優勝が目標だったから残っていた力を振り絞ったよ」(ポガチャル)
完全に独走に持ち込んで、残すミッションは一番にフィニッシュ到達のみ。スロベニア応援団も待つイゾラ2000の頂上にやってくると、ステージ4勝目をアピールしながらのウイニングセレブレーション。3年ぶりのツール制覇へグッと近づいた。 「イゾラ2000はジロ・デ・イタリアとツールの間のトレーニングで走っていたんだ。特徴を把握できていたことは今日の走りにプラスに働いたね」(ポガチャル)
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