【Cycle*2024 ツール・ド・フランス2024 レースレポート:第19ステージ】“タデイ・ポガチャル劇場”ここに決まる イゾラ2000で驚異の追い上げ、クイーンステージ完勝でツール覇権奪還へ大きく近づく
現在のプロトンでは誰も成し遂げていないジロとツールの2冠「ダブル・ツール」へ。その強さは、もはや誰にも止めようがなくなっている。残る2ステージは、大記録へどう走るつもりだろうか。
「最後の2日間は普段のトレーニングコースなんだ。すべて知り尽くしているよ。やるべきこと? マイヨ・ジョーヌを守るだけさ」(ポガチャル)
これで終戦なのだろうか。ヴィスマ・リースアバイクは、ヨルゲンソンとケルデルマンを前線に送り込むところまでは予定通りだった。しかし、肝心のヴィンゲゴーの状態がいまひとつだったという。レース途中に、ヨルゲンソンでのステージ狙いに切り替えていた。指揮官のグリシャ・ニールマン氏が事情を明かす。
「マッテオとウィルコを逃げに送り込んで、その後のレース展開はヨナス次第だった。2人に前待ちさせる選択肢もあったけど、彼らでステージを狙うようヨナスが判断したんだ。ヨナスは最大のライバル(ポガチャル)と戦える状態にないことを感じていたんだ」(ヴィスマ・リースアバイクDS:グリシャ・ニールマン氏)
結果的にヨルゲンソンはあと一歩まで行きながら、ステージ2位。
「僕にできることはすべて出し尽くした。全身全霊で戦ったよ。今日は本当に勝ちたかった。ポガチャルが追ってきていると知った瞬間にものすごいプレッシャーに襲われた。この悔しさは忘れない」(マッテオ・ヨルゲンソン)
総合力のあるヨルゲンソンとケルデルマンの逃げは、ポガチャルにしても脅威に感じていたという。シム・ド・ラ・ボネットでヴィンゲゴーが2人めがけてアタックするのではないか、との想定までしていた。
「正直に言うと、シム・ド・ラ・ボネットはとても苦しかった。ヨナスがアタックするかもしれないと思って彼をチェックしていたけど、本当に動かれていたら対応できたか分からなかった。それくらい厳しい上りだったんだ」(ポガチャル)
しかし、ヴィンゲゴーにはもう、その力は残っていなかった。フィニッシュするや、待っていた妻のもとで泣き崩れた。 「非常に高いレベルで戦えたことを誇りに思うよ。本当は2位争いではダメなんだ。でも、その思いは第2週までだった。今はもうそんなことはないよ。あとは、2位を確実なものにするために最善を尽くすよ」(ヨナス・ヴィンゲゴー)
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