「オオタニは言い訳できない」ロバーツ監督、異例の苦言のウラ側…大谷翔平と監督の信頼関係、ドジャースのエースが明かす「ショウヘイにも公平なんだよ」
ドジャース1年目にしてワールドシリーズ制覇を成し遂げた大谷翔平(30歳)。MLBポストシーズン中のクラブハウスで、NumberWebの記者がドジャースのスター選手たちを直撃取材した。彼らの証言から分かった「ショウヘイが1年目からチームに溶け込めた理由」。【全2回の前編/後編も公開中】 【変わりすぎ写真】「ガリガリだったエンゼルス時代」→「大谷のう、腕が…“まるでハルク”」&愛される大谷翔平「ドジャースベテラン勢がニコニコ」まですべて見る ◆◆◆
「半分がオオタニのユニフォーム」
ドジャースタジアム、リーグ優勝決定シリーズの第6戦。試合開始の2時間前から、席に座りグラウンドを眺める親子がいた。2人のユニフォームの背中には「OHTANI」の名前が入っている。 「ドジャースの試合はすべて見ているけど、ポストシーズンを生で観戦するのは初めてなんだ。楽しみにしすぎて予定よりも早く出発してしまった。私は地元イングルウッド出身で、10歳からのファン。父によく球場に連れて行ってもらったんだ。息子は13歳だけど、いまや私よりドジャースに詳しい。こうやってブルーの血は受け継がれていくのさ」 生粋の、かつ筋金入りのドジャースファンのようだ。2人によるドジャースの今季ベストシーンは、大谷が50-50を決めたホームランだという。その瞬間をテレビで目撃した2人は、叫びながら抱き合った。 「信じられない記録だよな。しかもそこからさらに数字を伸ばしただろう? 彼の虜にならないわけがないよ。球場に来ると一目瞭然だ。オオタニのユニフォームが圧倒的に多いのも納得さ」 あくまで筆者の体感であるが、確かにドジャースタジアムでファンが着ているユニフォームの半分は、大谷のものだ。わずか1年でファンに認められた何よりの証だろう。グラウンドに目を向けても、チームに馴染んでいることがわかる。昨年まで赤いユニフォームを着ていた面影は残っていない。スタッフや同僚と軽く言葉を交わして試合前練習に向かう。その姿からはチームの古馴染みのような雰囲気さえ感じられる。
メッツ4番「“あの2人”はレベルが違う…」
メジャー史上初の50本塁打・50盗塁は「異常な成績」だ。そんな大谷の立場を明瞭に示す発言がある。リーグ優勝決定シリーズで対したメッツの4番、ピート・アロンソ(29歳)による評価だ。 アロンソは2019年には53本塁打でホームラン王を獲得。2023年のWBCアメリカ代表にも選出された、メジャーを代表する強打者の一人である。そのアロンソに第6戦前日のクラブハウスで、同じ長距離打者としてジャッジ、大谷をどう見ているのか尋ねると、こう語ったのだ。 「あの2人はレベルが違う。彼らだけにしか見えない世界があって、そこには誰も立ち入れないというくらい、明確な線が引かれている。大谷の最大の武器は、パワーそのものではない。バットを構える、タイミングをとる、そしてスイングをするまでの一連の流れ――それがどの打席でも、投手のどんな球に対してもブレない一貫性だ。違う打席でも同じ動画を見ているかのようにフローが一致している。そこがクレイジーなんだよ」 アロンソの話し方からは、日本人記者向けのサービストークといった印象は受けなかった。大谷の打撃論まで続けて説明したところにリアルを感じた。 10年総額7億ドルという巨額契約でドジャースに移籍した大谷。開幕直後には水原一平通訳のギャンブル問題にも巻き込まれた。被害者であるにもかかわらず、真相が明かされるまで厳しい批判にもさらされ、メディアが殺到した。ドジャースの投手、タイラー・グラスノー(31歳)も冗談交じりにこう振り返る。 「信じられないほどの野球の才能と、カメラ(チームへの注目)をショウヘイはチームにもたらしたよ」 それでもなぜ、大谷はわずか1年でドジャースに馴染めたのか。取材を進めると、「デーブ・ロバーツ」「同僚との関係」「安定感」という3つのキーワードが浮かんできた。
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