競歩・池田向希のドーピング違反疑惑 日本陸連、池田の暫定的資格停止処分の取り消し手続き「競技団体として支援」
日本陸連は3日、世界陸連(WA)の独立監視部門の「インテグリティー・ユニット(AIU)」が1日に21年東京五輪男子20キロ競歩銀メダリストの池田向希(26)=旭化成=に対してドーピング違反の疑いで暫定的な資格停止処分を下したと発表したことを受けて、処分取り消しを求める池田の権利行使の手続きを「競技団体として支援してまいります」と発表した。 「本連盟は、今後池田選手がAIUへの暫定的資格停止処分の取り消しを求める申し立てにおいて認められた権利を行使するための手続きを、競技団体として支援してまいります。なお、本連盟は、スポーツ界におけるドーピングを撲滅するための活動を全面的に支持するとともに、クリーンで公正なスポーツを守るために関連機関と連携のうえ、アンチ・ドーピング活動を引き続き積極的に実施してまいります」とした。 池田の所属する旭化成は2日に、疑惑を否定する声明を発表。暫定的資格停止処分の取り消しを求める申立を行い、AIUに対して「規則違反がないことを主張・立証していく」とした。AIUは血液データを蓄積して変化を調べる「生体パスポート」で疑わしい数値を示したとしている。旭化成側は池田へのヒアリングや、専門家の意見を通じて、「規則違反はないものと認識しております」とし、「池田選手の潔白が証明されるよう、今後も鋭意対応してまいります」と主張した。 池田もコメントを寄せ「今回、全く身に覚えのない理由で今後の試合に出場できないかもしれない状況となり、たいへん困惑しております。6月28日にAIUから通知を受け取って以来、多くの医学専門家、競技関係者、その他関係者の方々にご協力いただき、潔白である事実を根拠とともに訴えてまいりました。今後真実が明らかになり、公正な結論が導かれるよう引き続き努めてまいる所存です」と、戸惑いをつづった。 池田は東洋大時代の19年に世界選手権で6位入賞を果たすと、21年東京五輪では日本勢過去最高順位となる2位に入り、銀メダルを獲得した。22年世界選手権でも銀メダル。8月のパリ五輪では7位入賞を果たしていた。タレントの「みちょぱ」こと池田美優のはとことしても知られている。