【Cycle*2024 ツール・ド・フランス2024 レースレポート:第19ステージ】“タデイ・ポガチャル劇場”ここに決まる イゾラ2000で驚異の追い上げ、クイーンステージ完勝でツール覇権奪還へ大きく近づく
始まりは比較的スムーズに事が運んだ。リアルスタート直後に20人を超える選手たちが前をうかがうと、メイン集団はUAEチームエミレーツがマルク・ソレルを配してペースメイク。これが効いて、早い段階で22人による先頭グループが編成された。追う立場にあるヴィスマ・リースアバイクがクリストフ・ラポルト、マッテオ・ヨルゲンソン、ウィルコ・ケルデルマンを送り込んだ。
逃げに送り込めなかったチームがこの状況を嫌って、先頭グループを追走。1つ目の超級ヴァール峠に入ったところで、リチャル・カラパス(EFエデュケーション・イージーポスト)やサイモン・イェーツ(ジェイコ・アルウラー)ら数人がブリッジを試みる。結局前線合流できたのがこの2人で、先頭グループのメンバーが幾分のシャッフル。長く厳しい上りも相まって、レースを先導するのは9人になった。この頃にはメイン集団のペースも落ち着いて、タイム差は3分30秒まで広がる。頂上はカラパスが1位通過して、山岳ポイント20点を獲得。この段階で山岳賞3位につけた。
標高2109mの山頂から1232mまで下って、続くはシム・ド・ラ・ボネット。長く険しい上りに先頭グループもメイン集団も、人数が減っていく。集団では、個人総合11位でスタートしたフェリックス・ガル(デカトロン・AG2Rラモンディアル)が遅れる。20人ほどまで絞られた集団は、UAEチームエミレーツがきっちり人数を残す一方で、ヴィスマ・リースアバイクはヴィンゲゴーを単騎にしてしまう。依然コントロールを続けるUAEチームエミレーツは、最大で4分あった先頭グループとのタイム差を3分40秒とした。
ここも頂上はカラパスが1位通過。超級山岳ポイント2倍の40点を獲得し、この段階で山岳賞トップに立った。
「今日の目標は山岳賞ジャージだった。逃げに乗り遅れたのだけれど、チームが全力で追ってくれて、僕を前へ送り出してくれたんだ。このジャージを最後まで守りたいね」(リチャル・カラパス)
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