パートの年収の壁「超えたくても超えにくい」人も【社会保険の加入】メリット・デメリットは?
2024年はパートの方の社会保険の適用が拡大されました。 年が明け、春にはお子さんが入園や入学、進学などを控え、働き方を考え始めている方もいるでしょう。 ◆【図表】パートの社会保険適用の条件は?正社員とパートの割合は? 年収の壁については「超えられるなら超えたいけれど、家事育児を考えると難しい」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。 そこで今回は、パートの社会保険適用拡大の詳細について確認していきます。 あわせて、社会保険加入のメリット・デメリットをみていきます。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
2024年10月からパートの社会保険適用が拡大へ
2024年10月より「被保険者(短時間労働者を除く)の総数が常時51人を超える事業所」に勤めて、以下の要件を満たすとパートやアルバイトの方でも社会保険へ加入できるようになりました。 ・週の所定労働時間が20時間以上であること ・賃金の月額が8万8000円以上であること ・雇用期間が2カ月を超えて見込まれること ・学生でないこと 上記はいわゆる「106万円の壁」です。 なお、厚生労働省「第24回社会保障審議会年金部会」によれば、短時間労働者の被用者保険の適用要件の見直し案として、年収にかかわらず週20時間以上の勤務で適用という案も出ています。 では、子育て世代でパートで働く方はどれくらいいるのでしょうか。
【育児中の女性】正社員とパートの割合は?
厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」によれば、18歳未満の子がいる母で働く母は77.8%です。 その内訳をみると以下の通り。 ●働く母の働き方の割合 ・正規の職員・従業員:32.4% ・非正規の職員・従業員:35.5% ・その他:9.9% 正規雇用と非正規雇用の差は約3ポイントとなっており、両方ともおよそ3割強でした。 正規雇用の推移をみると2004年に16.9%、2016年に22.0%、2023年に32.4%と増加しています。 一方の非正規雇用の推移については、2004年に26.2%、2010年に30%を超え、2016年から30%台後半です。 仕事と育児の両立は大変ですが、だんだんと女性も働きながら子育てをする環境が整いはじめており、正規雇用で働き続ける人も増えていると考えられます。 一方で、ご家庭の状況によってはなかなか働く時間を増やすのが難しいという方も多いでしょう。年収の壁についてさまざまな議論がありますが、壁を超えたくても超えられないという方もいると思います。