トヨタ決算発表 豊田社長が事業方針説明(全文4)フルモデルチェンジに取り組んだ1年
コネクティッドシティ実現に必要な支援は?
GT Capital:アジア地域のビジネスパートナー、GT CapitalのAlfred Tyと申します。ぜひ質問をさせていただきたいと思います。ただ今、将来のご計画、特に新たなモビリティー社会やコネクティッドシティに関するご説明をいただきまして、非常に興奮を感じております。私どももアジアのパートナーとして、アジア地域で一緒に計画を実現したいと、そういう気持ちを持っております。 しかしながら現実はといいますと、アジア諸国は新たなモビリティーやコネクティッド技術の面でまだまだ非常に遅れており、あるいはそういった道の緒に就いたばかりで、計画実現には政府から、特にインフラ面での強力なサポートが必要だと考えます。そこで質問をさせていただきたいと思いますのは、実現する上で必要な政府のサポート、特にインフラ面でどういった支援が必要かについてお考えをお聞かせいただければと存じます。 豊田:私が答えまして、ちょっと技術的に寺師副社長のほうから補足をお願いしたいんですが、今、Tyさんのほうからフィリピン市場およびアジアの市場はまだまだ遅れているというふうに、そちらからは言われるかもしれませんが、われわれからは急激に伸びている市場だという認識を持っております。 日本とか、中国は別にしまして、ほかの地区は市場自体がそう伸びない中で、アジア地区、中国も含めまして、非常にまだまだ伸びていく市場だというふうに考えております。そういう中において、私どもが80年掛けてつくり上げてきた自動車のビジネスモデルというのが、このCASEの登場とともに一足飛びに、今まで何十年掛けてやってきた自動車会社に一足飛びに追い付く可能性があるというふうにわれわれはアジア諸国を見ております。 そういう中で使い方とか、いわば、先ほど言いました電動化の中でも特にFCVとEVに限っては、政府のインフラが必要になってまいります。そして、どうしてもいろんな意味での補助金というものも必要になってまいります。ですからそういう意味でトヨタの意見を聞いてみたい、新しい自動車政策を考えるんであればトヨタの意見を参画にしたい、トヨタもメンバーに入ってほしい、そういうふうに、逆に選ばれるトヨタになっていきたいというふうに思っております。 トヨタは以前よりどこの進出国に限っても、この町一番と言われることを目指しております。この町一番という意味は、先日もカナダで新しいNXの発表がございました。そのときに政府関係の方からは、投資を決めてくれてありがとう、そして私どものカナダの工場からは、この何十年という間われわれを支えてくれてありがとうと、双方がありがとうと言い合える関係、これこそが必要とされる会社になるキーワードなんじゃないのかなというふうに思っておりますので、フィリピン政府におかれましても、トヨタが進出してくれてありがとう、私どもとしてもフィリピン国民はじめ、全てのサポートをいただいてありがとうというふうな、お互いがありがとうと言える関係を目指し、この町一番の会社ですねと言われるよう努力してまいりますので、そのためにも日々の笑顔が必要だと思います。ですから、そういう意味で日頃のご尽力に、この場でございますが、あらためて感謝申し上げたいと思います。 【書き起こし】トヨタ決算発表 豊田社長が事業方針説明 全文5に続く