トヨタ決算発表 豊田社長が事業方針説明(全文4)フルモデルチェンジに取り組んだ1年
決算面で見た時の評価を教えてほしい
日本経済新聞:日本経済新聞の【オオモト 01:17:58】と申します。社長にぜひお伺いしたいことが2点ございます。まず、前期の決算も含めた決算の評価についてでございます。就任10年を迎えられて、過去、現在、未来と、先ほどプレゼンテーションでも、事業についての振り返りはございましたけれども、あらためて決算面から見たときの評価について教えていただけますでしょうか、これが1点目です。その関連なんですけども、その未来の部分で成長戦略について、例えばトップラインへの考え方ですとか、そういったところも合わせて教えていただけますでしょうか。これが1点です。 2点目は、米中中心の通商問題に関連してお聞きしたいと思います。まず、マクロ経済の影響が相当大きいというふうに言われてますけれども、そもそもの捉え方、受け止め、分析、どのようにされているかについてお伺いしたいのと、あと、トヨタとしての米中、2大市場への投資の基本的なお考え方、これについてお伺いしたいと思います。以上です。 豊田:まず、先ほどの第1部の会見でも話題になっておりましたように、私ども、売り上げ規模で初めて30兆円を越えることができました。これも一重に私どもの売り上げに寄与いただきました、お客さま、そして販売店、仕入先、そして従業員、全ての人たちが、こつこつと積み上げてきた80年にわたる結果だと思います。あらためて、このメディアの方々を介しまして、この売り上げ高が達成できたトヨタをお支えいただいたこと、これに対しては感謝を申し上げたいというふうに思っております。 今まで、この決算発表の中で、私、毎回いろんなことを述べてまいりました。例えば2014年3月期は、意志ある踊り場。そして2015年は、意志ある踊り場から実行フェーズに。そして2016年は、自分たちの意志が本物かどうか確かめられる年。そして17年は、等身大の実力が素直に認められた決算。そして昨年は、たゆまぬ改善というトヨタらしさがあらわれ始めた決算。ということに対して、今年はどうかということだと思いますが、今年をあらためて一言で言うというのは難しいんですが、あらためて言えということであれば、未来に向けてトヨタのフルモデルチェンジに取り組んだ1年、というふうに言えるというふうに思います。 これは、良くも悪くも、今のトヨタの実力を映し出した決算だったんじゃないのかなとも思っております。未来へ向けた積極投資というものは、この期間においては、結構できたんじゃないのかなというふうに思っておりますが、例の原価をつくり込む活動だとか、トヨタらしさを取り戻す風土改革、これはまだまだ道半ばなんじゃないのかなというふうに思っております。