カテゴリーは同じっぽいけど予想以上に違う!ヤマハ『MT-09』とスズキ『GSX-8S』、最新スポーツネイキッドを試乗比較
◆ミドルクラス&スポーツネイキッドな2台だけど
スズキ『GSX-8S』とヤマハ『MT-09』の2台を、街中の同じ条件下で走らせてみた。スペックや装備の少々のズレがあるモデルだからこそ、それぞれの魅力や得意とする場面がわかりやすい試乗だった。 予想以上に違う!ヤマハ『MT-09』とスズキ『GSX-8S』
GSX-8SとMT-09は、ミドルクラスであること、アップハンドルを備えていること、スポーツネイキッドにカテゴライズされること、という共通項を持つ。持っているがしかし、排気量は775ccと888cc、エンジン形式は並列2気筒と直列3気筒、価格は106万7000円と125万4000円といったように、それなりの開きがある。もっとはっきり言えば、格差と表現してもよく、製品としてのポジショニングは、明確にMT-09がワンランク上だ。
GSX-8Sが相手なら、ぶつけるべきは『MT-07』では? 当然、そういう声が挙がるに違いなく、こちらのエンジン形式は同じ並列2気筒なのだから、確かにその通り。とはいえ、MT-07の排気量は688ccで、価格は88万円である。こっちはこっちで、GSX-8Sに対するポジショニングがワンランク下になり、真っ向勝負とはちょっと違う。
ここにホンダ『CB650R』やカワサキ『Z650』を持ち出したとしても、やはり少しずつ条件が異なり、みんながみんな、お互いを見て見ぬ振りというか、遠巻きに牽制し合っているというか、なかなかユニークな様相であり、ある種の多様性かもしれない。
こうして長々と前置きしているのは、「ハチエスとゼロナインの比較とか意味不明」とか「こいつ、なんもわかってねぇなwww」というようなことを書き込んでくる輩……いや、大層熱心な読者諸兄がいらっしゃるからで、それらはまだしも「俺たちが若い頃は50万円台でナナハンマルチが買えたのに」みたいな昔語りも始まりがち。なので、そういうあれこれはひとまず横に置いて、ここはひとつ気楽に読んでくださいな、という予防線である。
◆スペックと実車で印象は真逆に
というわけで、あらためてGSX-8SとMT-09を目の前にし、まずはまたがってみる。この時に気になるシート高と装備重量は、次の通りだ。