トヨタ決算発表 豊田社長が事業方針説明(全文4)フルモデルチェンジに取り組んだ1年
何を一番大切にして経営判断しているのか
中日新聞:中日新聞の長田といいます。豊田社長によろしくお願いします。先ほどもお話しされていましたが、昨年1月にモビリティーカンパニーにフルモデルチェンジさせることが私の使命とずっと社長言われてこられまして、仲間づくりがキーワードになっていくというお話ありましたけれど、その中で何が正解か分からない時代の中で、社長として仲間づくり、協業の輪を広げていくときに、何を一番大切にして経営判断されていっているのか。社長としてのぶれない軸というところについて、もう少し詳しく教えていただけたらと思います。 豊田:仲間づくりを進めていく上で、キーワードはやっぱりオープン・アンド・スピードだと思います。まずオープンっていう意味では、自分自身に競争力がないと、自分自身がある程度存在感がないと、オープンだといったところで誰からも相手にされないと思います。 ですから、そういう意味で自動車業界1社だけで何もできないんだということを認識するとともに、やはり自分たちの強み、そして自分たちの弱みを理解した上で、いろんな業種、いろんなほかの会社と共にさらに笑顔となる未来をつくるために自分たちも参画したいという意思は全社員、私ども役員全員持っております。ですから、そういう中においてその意思が本当に相手からもパートナーからも認めていただくような競争力と信頼度を付けることが、まず一番大切なことなんじゃないのかなというふうに思います。 それともう1つは、やはりそれと非常に似てくるんですが、やっぱりトヨタが選ぶわけじゃなくて、トヨタが選ばれる立場なんだよということがもっと大事だと思います。ですから、企業の規模でいきますと、すぐトヨタが選んでいるというふうに取られがちなんですが、私たちはわれわれ自体が選ばれているんだと。 だから、われわれと一緒に仕事をする意義とか、われわれと一緒に未来をつくりたいとか、そういうはっきり言っちゃえば好き嫌いも含めて、トヨタが好きですと言っていただく方を増やしていくことが僕は必要なんじゃないのかなというふうに思っております。 司会:よろしいでしょうか。では次の方、いかがでしょうか。ではこちらの前から4番目の今、手をあげていらっしゃる眼鏡の男性の方。