阪神が横浜DeNAに“歴史的”ワースト記録更新の完敗でBクラス転落危機…「まるで目標を失ったチームの消化試合」
阪神が10日、横浜スタジアムで行われた横浜DeNA戦に0-7で敗れ、59年ぶりに球団ワーストを更新する今季25度目の零敗を喫した。ハマスタでも1998年の記録に並ぶ8連敗。今日11日にも優勝の可能性が完全消滅するが、4位の広島とのゲーム差が0.5に縮まり、残り12試合でクライマックスシリーズ進出の可能性まで風前の灯となってきた。
1998年の“暗黒時代”以来のハマスタ8連敗
ある阪神の大物OBが嘆いた。 「まるで目標を失ったBクラスチームの消化試合じゃないか」 前日の2-9に続いて、またしても大差をつけられての0-7での連敗である。 先発の左腕・石田に対して右打者を6人並べたが、丁寧に低めにボールを集められ、6回を2安打と封じこまれた。石田は4戦3敗で防御率1.11という“天敵“。CSで対戦するとなれば、どこかで出てくるのかもしれない。そのあと入江、エスコバー、中川とつながれて、この3人に対しても1安打とまったくの無抵抗で、今季25度目の零封負けを喫した。1963年以来の球団ワーストの更新である。 そしてハマスタで屈辱の8連敗。これも1998年に並ぶ球団ワースト記録。1998年はベイスターズが権藤博監督のもと日本一となったシーズンだが、阪神は、3度目の監督復帰した吉田義男監督の2年目シーズンで、借金31を抱え最下位に沈んだ暗黒時代。この年、矢野監督が正捕手の座をつかんだが、打率は.211と打つ方はさっぱりだった。 その暗黒時代を彷彿とさせる野球だった。 中学時代に150キロを投げて“スーパー中学生“として話題をさらっていたドラ1のルーキーの森木を2度目の先発マウンドに立てたが、6回3失点ながらも存在感を示した8月28日の中日とのデビュー戦とは、まるで別人だった。 コントロールに苦しまないタイプのはずがボールが先行。阪神OBで評論家の池田親興氏が、「ストレートは低めでも“たれる”ことがない。おそらくフォーシームのボールの回転軸が、藤川球児氏に似ていてぶれずに回転数も多いのだろう」と絶賛した最速154キロをマークしたストレートが、最速151キロ止まりで、球威に欠け、シュート回転が目立った。 立ち上がりの一回二死二塁のピンチにも牧にファウルで粘られフルカウントからインハイへシュート回転した146キロのストレートをレフト前に運ばれる。3回にも一死二、三塁で牧を迎えたところでギアを上げて、カーブの後に149キロの力のある高めの釣り球でスイングアウトにとったものの、続く宮崎にボールが2つ先行したところで、ベンチは申告敬遠して満塁にしたが、これが裏目に出た。 「敬遠で満塁になったので、絶対に打つという気持ちで打席に入りました」と、勝負を選ばれたことに燃えていた楠本にインコースに投じた148キロのストレートをジャストミートされてライト線を破る2点タイムリー二塁打。ボールが先行したことで、ストライクを取ろうと、肘が下がり、ボールが見やすくなっていた。 「ボールの角度の必要性」をベンチで矢野監督が滾々と説いたようだが、あのコースをファウルではなく、一発で仕留められるようでは苦しい。