若年層の「借金相談」増加傾向止まらず…弁護士が語る「経済的状況を好転させる」持つべき“金融リテラシー”とは?
すでに借金に苦しんでいるときはどうすればいいのか
ーー「借金問題は必ず解決できる」といわれます。弁護士として、若者の多重債務について、政府等の施策に対する意見も含め、見解をお聞かせください。 菅谷弁護士 現在の金融リテラシーに関する教育はまだ不十分な部分が多いので、特に実生活に即した具体的な事例を用いた教育が必要であると考えます。 例えば、クレジットカードの使い方やローンの返済計画についての具体的なシミュレーションを行うことで、若者が実際に直面する状況や多重債務の危険性を理解しやすくなると思います。 また、情報商材・投資詐欺・マルチ商法などの、若者がハマりやすい商材、儲け話等の落とし穴についても、具体的な事例を用いた教育が必要であると考えます。 こういった金融リテラシーに関する教育は、薬物乱用防止に関する教育に匹敵するレベルで繰り返し行ってもいいのではないかと思います。 また、地域社会全体で若者を支える仕組みを作り、若者の孤立化を防いで適切なサポートを提供することも重要だと考えます。 例えば、経済的に困窮している若者が早期に支援を受けられるよう、地域のNPOやボランティア団体と連携して、学校や地域コミュニティでの相談窓口を設置したり、SNSを活用した情報提供を行っていくことが有効です。 気軽に相談できて、丁寧に話を聞いてくれて、適切なアドバイスを行ってくれるような相談窓口の整備・強化は急務だと思います。 ーー既に多重債務になってしまっている場合はどうればいいのでしょうか。 菅谷弁護士 債務整理を行うことが有効です。 まだ傷が浅ければ、多少の家計の見直しで解決できることもありますし、家計の見直しによる解決が難しい場合でも、債務整理には任意整理・自己破産・個人再生など、その人の置かれている状況に応じた適切な手段があります。 経済的なメリットは非常に大きいものですので、直近の返済や今後の生活に少しでも不安を感じたらすぐに専門家に相談することをおすすめします。
弁護士JP編集部