【速報】「山健組」組長・中田浩司被告に無罪判決 神戸地裁「犯人である可能性は高いと言えるが、別人が犯人である可能性を否定し切ることはできない」
2019年に神戸の暴力団事務所の前で組員をけん銃で撃ったとして殺人未遂などの罪に問われていた暴力団組長に、無罪判決が言い渡されました。 起訴状によりますと、「山健組」組長・中田浩司被告(65)は2019年8月、神戸市中央区の路上で、指定暴力団・山口組系「弘道会」の男性組員(当時51)の肩や腹をけん銃で撃って殺害しようとした罪に問われています。
◆これまでの裁判で 双方の主張は
10月8日の初公判で、中田被告は「私は犯人ではありません」と起訴内容を否認していました。検察は冒頭陳述で、「神戸山口組と山口組には対立構造があり、防犯カメラ捜査の内容から中田被告の犯行である」と指摘しましていました。 15日の公判では、検察側が「けん銃を事前に準備し、下見をするなどした上で敢行された計画的犯行」、「一般人を巻き添えにする危険性もあった」などと指摘し、懲役20年を求刑しました。 一方で弁護側は、「目撃証言や指紋など客観的な証拠がなく、有罪立証は不可能」などと無罪を主張しました。 裁判の最後に、裁判長から発言を求められた中田被告は、「私の思いは全て弁護士が言ってくれたので、これ以上特別にありません」と話しました。
◆判決は「別人の可能性を否定しきることはできない」
31日の判決で神戸地裁は、「被告人が犯人である可能性は高いと言えるが、別人が犯人である可能性を否定しきることはできない」などと述べて、中田被告に無罪を言い渡しました。 判決を受けて弁護側は、「裁判員、裁判官の法規に沿った適切なご判断に敬意を表します。」とコメントしています。 いっぽう神戸地検は、「判決内容をよく検討し、上級庁とも協議のうえ適切に対応したい。」とコメントしました。