なぜEUROでV候補の仏が敗退するなど大波乱が起きているのか…ベスト8を勝ち抜き頂点に立つのはイングランド?
ワールドカップで唯一の優勝を果たした1966年大会決勝を最後に、主要国際大会のノックアウトステージで一度も勝てなかった宿敵ドイツに完勝したイングランド代表も、中盤でのボール奪取から縦パスを入れ、左サイドに展開するパターンから2点を奪った。 「とにかく鋭い縦パスを一度入れて、そのまま縦へ攻めることもあれば、あるいは外へ展開することもある。いまのサッカーでは縦パスをいかに入れるかが重要であり、それができないチームはなかなか攻撃の形を作れなくなっている」 こう指摘する鈴木氏は、準々決勝以降の戦いで攻守にタレントが揃ったイングランドが頂点に立つ確率が最も高くなったと予想する。 「準々決勝でウクライナと、次はチェコとデンマークの勝者と対戦する点で、どちらかと言えば対戦相手に恵まれている。準々決勝の会場はローマだが、勝てば準決勝と決勝をロンドンのウェンブリースタジアムで戦える点も追い風になる。 もう一方のブロックは、確率ではイタリア代表が上がってくるのではないか。準々決勝ではFIFAランキング1位のベルギーと対戦するが、ポルトガル戦の後半早々に負傷交代したケヴィン・デ・ブライネ(マンチェスター・シティ)次第だと思う。彼が試合に出られるかどうか。イタリアは非常に守備が強いので、デ・ブライネが不在ならば厳しいと言わざるをえない。 イタリアは派手さこそないものの失点が少なく、スペインもユーロを連覇した後の世代交代で苦労しながらも、しっかりとポゼッションはできている。スイスを含めた4ヵ国のなかでもあえて挙げればイタリアとなるが、イングランドほどの候補にはならない」 決戦の地・ロンドン行きをかけた準々決勝は日本時間3日未明にスイス対スペインとベルギー対イタリア、同4日未明にチェコ対デンマークとウクライナ対イングランドの顔合わせで行われる。眠れない夜がもうしばらく続きそうだ。 (文責・藤江直人/スポーツライター)