なぜ酒井宏樹は浦和レッズ移籍を決断しチームは推定移籍金2億円を払ってまで獲得を決めたのか?
J1の浦和レッズは10日、今夏の東京五輪に臨むU-24日本代表へオーバーエイジ候補の一人として招集されている日本代表DF酒井宏樹(31)が、フランス・リーグアンの強豪オリンピック・マルセイユから完全移籍で加入すると発表した。 中学生年代のジュニアユースから柏レイソルで育った酒井は、柏からドイツ・ブンデスリーガのハノーファー96を経て、2016年夏からマルセイユでプレー。来年夏まで契約を残している状況で、9年ぶりとなるJリーグへの復帰を決めた。 酒井は2020-21シーズンのリーグアンでも、26回の先発を含めて29試合に出場。自身が初めて臨んだUEFAチャンピオンズリーグでも、グループリーグの全6試合で先発フル出場していたが、5月24日に更新した自身のインスタグラム(@hiroki.sakai_19)でマルセイユ退団だけでなく、ヨーロッパでのプレーも最後になると表明した。 すべてフランス語で綴られたメッセージは「親愛なるマルセイユのファンの皆様へ」で始まり、マルセイユおよびヨーロッパを去る理由がこう説明されていた。 「今シーズンの終わりをもって僕はヨーロッパを離れ、マルセイユでの夢に終止符を打つことを決めました。マルセイユに来たときに、ここが僕の最後のヨーロッパのクラブになると決めていましたし、いまでもその考えは変わっていません」 2020-21シーズンを終えて帰国し、ミャンマー代表とのカタールワールドカップ・アジア2次予選に臨む日本代表に合流した酒井は、選手たちが日替わりで臨むオンライン会見のなかで、マルセイユを退団した理由をあらためてこう語っていた。 「本当に素晴らしい5年間であり、自分のすべてを捧げてきた、すごく大事な場所でもありましたけど、すべてを含めて今回がベストのタイミングだと思い、自分のなかで決断しました。なので、まったく悔いはありません。この決断が自分にとって正しいものだったのか、というのは自分自身でしか証明できないと思っています」 地中海に面したフランス最大の港町での日々を、酒井は「家族は本当に愛していて、子どもたちも楽しんでいた」と振り返る。それでも退団・帰国を決断した理由は、ヨーロッパでプレーしてきた過程で、胸中に強く抱くようになった思いにある。 それはマルセイユの主力としてまだまだ十分にプレーできると、周囲から思われている間に「自分のキャリアを日本サッカー界へ還元する」だった。