敗れたストイコビッチ監督は森保Jの実力をどう見たのか?「日本に改善すべき点があるとすれば…」
愛してやまない日本をリスペクトしながらも、妖精を意味する「ピクシー」の愛称とともに名古屋グランパスのエース、そして監督を務めていたときとまったく変わらない、究極の負けず嫌いの一面をのぞかせた。 母国セルビアの代表監督として、トータルで13年もの日々を過ごした日本へ凱旋。日本代表との国際親善試合に0-1で敗れたドラガン・ストイコビッチ監督(56)は「日本が強すぎました」と称賛しつつも、こんな言葉をつけ加えることも忘れなかった。 「今回招集できなかった中心選手たちを加えた、完璧な顔ぶれのA代表チームとして来日していたならば、おそらくは違う結果になっていたと思います」 無観客のノエビアスタジアム神戸で、11日に行われたキリンチャレンジカップ2021。最新のFIFAランキングで25位につけ、日本の28位を上回っているセルビアは、森保ジャパンの初陣から37試合目にして初めて対戦するヨーロッパ勢でもあった。 もっとも今年2月に就任が発表され、初めて指揮を執った3月のカタールワールドカップ・ヨーロッパ予選で2勝1分けと好スタートを切ったストイコビッチ監督は、3試合すべてで計5ゴールを叩き出したエースストライカー、アレクサンダル・ミトロビッチ(フラム)を含めて、主力のほとんどを日本への遠征に招集しなかった。 「日本に来ているのはA代表ではありますけど、代表デビューを果たした選手も含めたBチームの若手が、与えられたチャンスでどのようにプレーするのかに注目していた」 今後をみすえて新戦力の発掘を狙ったストイコビッチ監督は、1-1で引き分けた7日のジャマイカ代表戦を含めた2試合をこう総括した。 「個人的な意見を言えば、親善試合はプレー内容が大事であり、結果に対してはあまり重きを置いていません。しかし、今日については日本におめでとうと申し上げたい。日本が内容的にも上回っていたし、チームのコンビネーションやフレッシュさといったところで力を発揮したからこそ、この結果になったと思っています」 日本が見せたコンビネーションの象徴が、後半3分にあげた決勝点となる。MF鎌田大地(アイントラハト・フランクフルト)の右CKを、ニアでDF谷口彰悟(川崎フロンターレ)が頭でフリック。コースを変えたボールをノーマークの状態でファーへ詰めてきたMF伊東純也(ヘンク)が、右足によるワンタッチで押し込んだ。 国際Aマッチにおける日本の通算1300ゴール目に「聞かれて初めて知りました」と苦笑した伊東は、セルビアを想定して、事前に準備していたプレーだったと明かした。