「地元1位→桜蔭」浪人で変化した彼女の価値観。勉強できることに価値があると思っていたが
「当時の生活は、1コマ3時間の授業が週に4コマで、塾がない日は授業を除いて5時間、休日には10時間の勉強をしていました」 ■共通テスト本番では国語で大きなミス 模試では最難関学部である理科3類でもD~C判定が出るなど、抜群の成績だったゆゆきちさん。しかし、共通テストでは少しつまずいて774/900点に終わりました。 「緊張や焦りもあり、国語で配点が大きい問題をいっぱい落としてしまいましたね。東大理1を狙うには、ちょっときつい点数だなと思いました。東大の2次は共通テストの配点がほかの大学に比べると少なくなり、より2次の出来が求められるので、挽回しようと思ったのですが、自分の中で『共通テストで(他の東大受験生に)負けた』という記憶がずっと残っていたのがつらかったです」
結局、東大受験本番ではある程度挽回はしたものの、共通テストの成績や「ほかの受験生に負けた」というメンタル面の不安定さが響き、合格最低点からわずか0.3点足りずに落ちてしまいました。 「あとでこのような僅差で落ちたとわかったときは、悔しかったですね。こんなことが、本当に自分に起こるんだ……と思って、現実味がありませんでした。でも、今思えば、1問1問に貪欲になる姿勢がなかったんだろうなと思います。そうした人として大事な姿勢を疎かにしていました」
東大に落ちたゆゆきちさんは、結局後期試験を受けて、東京医科歯科大学(現・東京科学大学)の歯学部歯学科に入学することを決めました。 目標だった東大に落ち、東京医科歯科大学の歯学部に進んだゆゆきちさん。 しかし、ここで彼女は、仮面浪人を決断します。その理由について聞くと「勉強一本の価値観が変わっていったから」と答えてくれました。 「私も姉のように、歯科の開業医をやろうと考えていたのですが、歯学科の子たちに話を聞くことで、より自分の将来をじっくり考えるきっかけになりました。