大型アウトレット駐車場で相次ぐ死亡事故! 「木更津の悲劇」が浮き彫りにした問題点と安全対策とは
増える大型駐車場事故
千葉県の県紙・千葉日報は2024年12月11日、「アウトレット駐車場で女性はねられ死亡、2月にも2歳児が亡くなる事故 ネットで運転マナーへの批判続出 施設の改善求める声」という記事を配信した。要旨は次の通りだ。 【画像】「絶句…!」 被害額350万円オーバー! これが雹に直撃された「車両」です! 画像で見る! ・12月8日、三井アウトレットパーク木更津(千葉県木更津市)の大型駐車場で、歩行中の女性(57歳)が乗用車にはねられ、死亡した。 ・警察は乗用車を運転していた自称会社員の男性(53歳)を過失致死の疑いで逮捕した。 ・同じ施設では2024年2月にも、2歳の女児が車にはねられて死亡する事故が発生している。 ・ネット上では大型駐車場内の運転マナーの悪さに批判が相次ぎ、改善を求める意見が多く寄せられた。 ・特に施設の暗さや大型駐車場設計の見直しを求める声が目立った。 ・また、運転者の注意力低下を防ぐため、適切な休息の重要性を指摘する意見も見られた。 同様の事故は全国各地の大型駐車場でも後を絶たない。なぜこうした事故が繰り返されるのか。仕事とプライベートで年間約6万kmを走る私(都野塚也、ドライブライター)としても、この問題に対して何ができるのかを考えさせられる。 今回は、大型駐車場で発生する事故の現状と、求められる対策について掘り下げていく。
事故防止に必要な運転習慣
全国の大型ショッピングモールやテーマパークが増えるにつれて、大型駐車場の数も増加している。これらの大型駐車場は、多くの車が行き交い、さまざまな行動が交錯する「無法地帯」と化すことが多く、事故が発生しやすい環境となっている。さらに、歩行者の数が多いため、危険性はさらに高い。 三井アウトレットパーク木更津で発生した2件の死亡事故も、ルールやモラルの欠如が原因で起きたと考えられる。以下、2件の事故の詳細を見てみよう。 ●2024年2月の2歳女児死亡事故 女児が両親と妹と一緒に買い物に来ていた際、両親の車近くで男性が運転する車にはねられて亡くなった。運転していた男性は「空いている大型駐車場を探すのに気を取られ、前方の安全確認が不十分だった。子どもの存在に気がつかなかった」と証言している。 ●2024年12月の57歳女性死亡事故 21時頃、男性が運転する車が歩行中の女性をはねた。警察によると、車は駐車マスから出て出口に向かっていたが、周囲が暗く、ショッピングモールも閉店間際だったため、車がかなりの速度を出していた可能性が高い。 この2件の事故に共通するのは、周囲の安全確認が不十分だった点だ。普段の公道では安全確認を徹底しているドライバーが、なぜ大型駐車場ではそれができないのか。また、大型駐車場内では次のような運転がよく見られる。 ・過度な加速 ・必要な場面でのウインカーやハザードの不使用 大型駐車場内での運転マナーの悪さに不満を持つ声も多い。 大型駐車場では、公道以上に周囲の安全確認を徹底する必要がある。私も運転している際は、一般道や高速道路以上に大型駐車場内で神経を尖らせて安全確認を行うよう心がけている。具体的には、 ・大型駐車場内での速度を抑える ・右左折時には必ずウインカーを使用する ・駐車時や停車時にはハザードを点灯させる ことを徹底することで、周囲の安全を大きく向上させることができる。