遅すぎる台風10号 午後は四国に再上陸へ 週末にかけて西日本を東進も速度上がらず 各地で影響長引く見通し
なかなか速度の上がらない台風10号の影響で、各地で影響が拡大している。台風直撃の九州だけでなく、台風から遠い所でも連日、非常に激しい雨や猛烈な雨が観測され、きょうも線状降水帯が発生する所がありそうだ。台風は午後には四国に再上陸する可能性が高く、週末は西日本でより天気が荒れてくる見通し。また、台風から離れている東日本や東北でも非常に激しい雨や雷雨になるおそれがあり、引き続き厳重な警戒が必要だ。
ノロノロな台風10号 午後は四国に再上陸へ
台風10号は午前11時には大分県国東市の北にあって、1時間に10キロの速度で北東に進んでいるとみられる。台風の速度は今後もさほど上がらないものの、進路を東に変えて、午後には四国に再上陸する可能性が高くなっている。四国では、きのうの時点で香川県と徳島県に線状降水帯が発生するなど、台風接近前から大雨になった所があったが、きょうは台風本体の接近でより天気が荒れてくる見通し。四国や紀伊半島を中心に西日本では雨だけでなく、風の影響もシビアになるため、より一層の警戒が必要だ。
台風は週末にかけて西日本を東進する見通しで、今の所、9月1日(日)には熱帯低気圧に変わる見込みだ。ただ、台風が熱帯低気圧に変わっても、湿った空気の流れ込みは続くため、大雨への警戒は続けた方がよさそうだ。
台風から遠くても油断禁物 きょうも線状降水帯発生の可能性
台風から遠い所でも大気の状態が非常に不安定になっており、きょうも非常に激しい雨や猛烈な雨の降る所がありそうだ。南からの湿った空気が流入し続ける東海や関東、東北の太平洋側を中心に活発な雨雲がかかっており、雨脚の強まっている所がある。
このあともどこで雨雲が発達するか特定することは難しいものの、同じような所で雨雲がかかり続けることが予想される。特に九州北部ではきょうの日中にかけて、四国はあす31日の午前中にかけて、近畿では今夜からあすの午前中にかけて、線状降水帯が発生して大雨災害の危険度が急激に高まる可能性がある。すでにこれまでの大雨で地盤が緩んでいる所や、増水、氾濫している川もあるため、危ない場所には絶対に近づかず、厳重な警戒を続ける必要がある。(気象予報士・多胡安那)