「予算1万円の居酒屋は高すぎる」「4000円くらいがちょうどいい」日本人が知らない「大企業エリート社員たち」の“羨ましくない経済事情”
日頃、大企業の幹部クラスとも会食の席を一緒にするコンサルタントの日沖健氏。日本の名だたる会社の役員・管理職ともなると、さぞいいお店で会食するに違いないと思いきや、それは大間違い。予算1万円以上の店を提案して、苦い顔をされたことも…。(全2回の1回目/ 後編を読む ) 【写真】この記事の写真を見る(2枚) ◆◆◆ 大手企業の社員と言えば高給取り。その中でも厳しい出世競争を勝ち抜いた管理職は典型的な「勝ち組」と言えますが、意外とお金を持っていないという現実があります。今回は、大手企業管理職の寂しい懐事情を紹介し、その理由を考えてみましょう。
大手企業管理職の自腹の飲み会はセコイ
私事ですが、50代後半の私が少し悩むのは、同年代の会社員と飲み会をするときの店の選択です。私は以前、日本石油(現ENEOS)財務部に勤めていたことから、ENEOSやメガバンク・大手証券会社・大手生保の関係者と今もたまに飲み会をします。 相手は、大手企業の取締役・部長といったエリート。あまり安っぽい店では失礼だと思い1人1万円以上する高級店を選んだら、「お前はいつもこんなに良いところで飲んでいるの? 俺は小遣いが少ないんで、(今回のように自腹の時は)もっと安い店の方が良かったんだけど…」と率直に言われました。 そんなことが数回あったので、先日、思い切って1人4000円くらいの居酒屋を恐る恐るチョイスしました。すると、「この居酒屋は安くて美味しくて、コスパ最高だね。この値段なら月1で通えるかも。さすがお前は色んな良い店を知ってるね」と大絶賛されました。 どうやら高給取りの大手企業管理職でも、自分が自由にできるお金をそんなに多く持っていないようです。ただし私の限られた交際範囲では断定できないので、統計を確かめることにしましょう。 まず、国税庁「令和4年分 民間給与実態統計調査」によると、日本の平均年収は約458万円で、1000万円超は全体のわずか5.4%、世帯年収1000万円以上は全体の11.6%です。