「ホラー業界の可能性が広がった」【ホラー作家・梨×株式会社闇・頓花聖太郎インタビュー】
■ただの書籍化ではなく、「すごいこと」が起こっている
ーー良い話です!では、質問としては最後となりますが、12月の年の瀬というところで、来年以降の企てなどがあれば教えてください。
頓花:現時点で言えることはほとんどなく、ホラープロジェクトはたくさん種を蒔いても実現できるかどうか難しくはあるのですが……。来年に向けて、いろいろと仕込んではいますね。 梨:私は来年以降は「ホラー×○○」……例えば、音楽とかイベントとか、いろんなジャンルに拡張して、越境して、「ホラーってこんなに楽しいんです!」といろんな方にプレゼンする年にしたいと思っています。すでに1月には新作が3~4つくらい、2月には2~3つ決まっています。そのなかには書籍も含まれているのですが、うち1つは同人誌です。より幅広い方に楽しんでいただけると思っているので、ご期待ください! ーー『行方不明展』と『つねにすでに』を楽しみにしているファンの方に最後に一言お願いします。 梨:確実に言えるのは、買って後悔する書籍ではないということです。アーカイブ的な立ち位置の書籍でもあるので、いずれも見られなかった人にはすみませんでした!という気持ちとともにお届けするのですが、『行方不明展』にリアルで行った人、『つねにすでに』をリアルタイムで見ていた人であったとしても、経験したからいいやではなくて、どちらもとんでもないものに仕上がっているので、ぜひ購入していただきたいです。すごいことが起こっています。 頓花:ホラー好きはもちろんですが、ホラーに馴染みのない人、ちょっと苦手な人もいきなり読んでもちゃんと楽しめるものになっていますし、ふたつを体験した人にとってもその差異が楽しめるものとなっているので、ぜひみなさまに買っていただきたいなと思っています!この年末年始に、ゆっくり読んでいただけるとうれしいです。
取材、文=大原絵理香、撮影=川口宗道
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