国際大会で絶賛された“優勝パエリア”が東京で楽しめる穴場店とは!?
来る日も来る日も試作を重ね、2016年にはその思いが実を結び、日本予選で3位を獲得。念願叶ってスペイン・バレンシアで行われる世界大会への出場を果たした。そして、2017年のコンクールの日本予選で見事優勝、さらにはスペインだけで20チームが参加した現地開催のコンクールの国際部門でも優勝をおさめ、名実ともに“チャンピオン”となった。
シンプルだけど別格にうまい! 熟練の技が光るパエリアとは?
では“チャンピンのパエリア”は一体、ほかとは何が違うのか。結城シェフにたずねると「大前提として米のひと粒ひと粒にスープを最大限に閉じ込めた料理であること」と話す。
そもそもパエリアとは、スペインのバレンシア地方で長く愛される郷土料理のひとつ。日本でスペイン料理の人気が高まるにつれ“パエリア風”の米料理を出す店が増えたことも、結城シェフの「正当に文化を継承したいと願う心」に火をつけた。歴史を学び、文化を肌で感じ、現地の食文化に敬意を持つこと。本物のパエリアとは、材料や工程だけではなく食文化の根源を知ること。結城シェフはその“根っこ”の部分を一番大切とした上で「バレンシアの大会では全チームが同じパエリアを作ります。
薪起こしから始めて2時間半以内に丸の状態のうさぎや鶏をさばき、完成まで持っていく。野菜はトマトや白いんげん豆など。僕の店では魚介のパエリアもお出ししますが、バレンシアの大会では海のものを使うことはありません。大きなポイントのひとつは鍋底全体にソカラという“おこげ”をつくること。これはコンクールの審査基準にも含まれているほど大切な要素です」と語ってくれた。
「anocado restaurante+」で人気の魚介のパエリアは、具材を(オリーブオイルで)炒め、真鯛や香味野菜から作るカルド(出汁)にサフランを加えて煮込んだスープにお米を加え、一粒一粒にスープを閉じ込めるように炊き上げる。店中に食欲を刺激する匂いが充満し、出来上がりを待つまでの時間もワインを飲みながら胸が高鳴る。