菅首相は初参加 2年ぶりの党首討論(全文1)11月に希望者への接種終了を実現したい
強い私権制限のできる国との比較はいかがなものか
菅:私、枝野代表からゼロコロナというのを何回か聞いたことがあります。ゼロコロナ戦略というのは、要は無症状の方も含めて検査を実施して感染者を徹底して探すということになるわけでありますけど、本党では特措法の私権制限強化に、これ非常に慎重な立場でした。国民の皆さんにどうやって検査をしてもらうか、強制的な検査を受けてもらうのか。ここは1回、ぜひ私も伺ってみたいというふうに思っていました。 また、欧米諸国では検査を徹底しても感染拡大は止まらなかった。強制的に検査を行うことができない中でどうされるのか。そして同時に、何回となくオーストラリア、ニュージーランド、台湾、こうしたことを例に出されますけども、この3国というのは罰金や懲役による強い私権制限を行っているところです。そしてオーストラリア、またこうした国、特にオーストラリアについては人口密度が非常に少なく、日本の100分の1であります。そうした中と、私、そうしたその強い私権制限のできるところと比較することはいかがなものかなというふうに思います。 それと私自身、オリンピックについても私の考え方をぜひ説明させていただきたいと思います。東京大会は感染対策、水際対策、これを徹底して安全・安心なものにしなきゃならないと思います。海外から来る選手をはじめ大会関係者、これ、当初18万人といわれたんですけど半分以下に絞ります。それをさらに縮小する方向で今、検討しています。また、選手など8割以上はワクチンを接種して参加するということを、報告を受けています。入国前に2回、入国時に1回、そしてその後に3回、徹底して検査をし、選手については期間中も毎日行う。その予定であります。
安全・安心の大会にしたい
また、海外メディアなどは組織委員会が管理するホテルにこれ集約をします。日本国民と接触することがないようにGPSを使って行動管理をし、検査もこれ、しっかり行います。また、事前に計画書を出させますから、登録をさせて、違反した場合は強制退去させます。この5月だけでも4回、テスト大会っていうものをやっています。感染対策を含めて、いろんな準備をして、1つ1つこうした対応を行っております。まさに安全・安心の大会にしたいというふうに思います。 それとよく、私にこれオリンピックについて聞かれるわけですけども、実は私自身、57年前の東京オリンピック大会、高校生でしたけども、いまだに鮮明に記憶しています。それは例を挙げますと例えば東洋の魔女といわれたバレーの選手。回転レシーブっていうのがありました。ボールに食いつくようにボールを拾って得点を挙げておりました。非常に印象に残っています。また、底知れない人間の能力というものを感じました、あのマラソンのアベベ選手も非常に印象に残っています。 そして何よりも私自身、記憶に残っていますのは、オランダのヘーシンク選手です。日本柔道が国際社会の中で、大会で初めて負けた試合でしたけども、悔しかったですけども、その後の対応、すごく印象に残っています。興奮したオランダの役員の人たちがヘーシンクに抱きついてくるのを制して、敗者である神永選手に対して敬意を払った、あの瞬間というのは私はずっと忘れることができなかったんです。そうしたことを子供たちにもやはり見てほしい。 さらに当時、パラリンピックが初めてパラリンピックと名前を付けて行った大会です。パラリンピック、障害者の皆さんには、まさに障害者スポーツに光が当たったのがあの日本の大会であります。そしてこのことを契機に、障害者の皆さんが社会進出を試みたい、まさに共生社会を実現するための1つの大きな契機になったというふうに思います。