菅首相は初参加 2年ぶりの党首討論(全文2)政権を代わるしかないと確信
首相と野党党首が一対一で議論する「党首討論」が9日午後4時から開かれた。 ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは「【国会中継】2年ぶりの党首討論 「コロナ」「五輪」は? 菅首相は初の参加(2021年6月9日)」に対応しております。 【動画】2年ぶりの党首討論 「コロナ」「五輪」は? 菅首相は初の参加(2021年6月9日) ◇ ◇
補償とセットでなければならない
枝野:2年ぶりの党首討論ということで、多くの国民の皆さんが、特に感染症から、そしてオリンピックを開催して、命と暮らしを守れるのかどうか、注目されています。総理の後段のお話はここにはふさわしくないお話だったんではないかと言わざるを得ません。私たちは、例えば検査の対象は、私は場合によっては政令でも拡大できる話だと思いますし、100%しないとニュージーランドやオーストラリアのようなことができないのかというと、必ずしもそうではありません。徹底して1人の感染者の周辺を検査するということ自体、アプローチしてこなかったというのは間違いありません。 それからよく私権制限の話をされるんですが、私たちは別に私権制限に否定的ではありません。ただ、きちっとした補償がなければ、それは私権制限されて首をつらなければならない、そんな状況に国民を追い込んではいけない。だから補償とセットでなければならないと。私たちはずっと言い続けています。 もう1点だけ申し上げます。確かにロックダウンをした。そういう国、ロックダウンの効果はあったけれども、でもリバウンドしている。リバウンドしている国とニュージーランドやオーストラリア、台湾との違いは、どこまで我慢したかなんです。やっぱり早く解除をしたら、どんなに強い抑制をしてもリバウンドは生じている。
失われた命に、政治は責任を取れない
そして、日本は他国のような強い強制措置を持っていなくても、例えば緊急事態宣言などを出したことによって、感染がどれぐらいのスピードで減っていっているのかというのは、この1年、他国と比べてみても、強いロックダウン措置を取った国と比べて、決して見劣りしないスピードで落ちてきています。つまりそれだけ国民の皆さんは協力をしてくださっているんです。そうした国民の皆さんの努力をリバウンドによってすぐにまた緊急事態宣言を出すということによって無にしてはいけないということを私は申し上げているんです。 そして私のお尋ねには、なかなか正面から答えていただけませんでしたが、私はオリンピックに関連してなんとか選手やコーチの皆さんについては頑張られるんだと思います。ただ、例えば、これはオリンピックがもし開催されて、世界中から東京に人が集まる、日本中から人が集まる。そして夜遅くまでテレビで生中継されている。そういう状況のときに例えば感染が広がって、不要不急の外出を抑えてください。夜は飲食店をやめてください。あるいは営業をもう休業してください。こうしたことをお願いできますか。そしてお願いしたとしても説得力はありますか。 残念ながら、もしリバウンドの兆候が見えても、強い措置を取ってもなかなか国民の皆さんの理解が得られないという状況が、前後合わせると2カ月続くんです。夏休みとも重なります。東京で約半年にわたって事実上ずっとみんな我慢をしてきた。どこかで解除したら緩みは必ず出ます。それによって、急激な第5波でまた医療逼迫、それがオリンピックや、あるいは特に後半にあるパラリンピックに重なったら、どうなるんだと。 そういうことを考えたら、私は前回の東京オリンピックは、私の生まれた年です。だから私は見た経験はありません。でも生まれたときから、子供のころからオリンピックの年の生まれだね、言われてきたし言ってもきたし、それなりに思い入れがあるつもりですし、選手の努力を考えたら私もぜひ開催したいと思います。でも今日の総理のお答えを聞いたのでは、今のようなリスクも含めて本当に命と暮らしを守れるのか。命を失われたら取り返しがつかないんです。失われた命には、政治は責任を取れないんです。そのことについてのご認識が十分ではないのではないかと、残念ながら言わざるを得ません。