相席スタート・山﨑ケイ「手に入るか分からないことにお金と時間を費やす」不妊治療の不安とは?
自分にストレスをかけないことが大事
――妊娠が分かったときはどんな気持ちでしたか? 山﨑ケイ: いつ喜んでいいのか分からなくて。いつどうなるか分からないし。喜んだらいなくなっちゃうんじゃないかと思ってしまう時期は結構長く続いたかな。親にもいつ言ったらいいか分からなかった。なので、公表も結構遅めに言いました。年齢のこともあったし。できれば言わないでおきたかったんだけど、仕事の面で迷惑をかけるから言わないわけにもいかなくて。安定期に入ってからも言わないで7~8カ月目ぐらいに周囲に言ったんだと思います。 ――親世代の自然妊娠が当たり前だった方たちに対して、不妊治療を伝えることに気まずさを感じる方もいます。ケイさんはそういう気持ちはありましたか? 山﨑ケイ: うちの母親には言っていたけど、あとは特別家族にも言っていなくて。別に言わなくてもいいのかなと。同居していると言わざるを得ないのかもしれないけど。私は気まずさみたいなものはあまり感じなかったんですが、相手に気を使わせるかもという気持ちが大きかったかな。私にとっては自分にストレスをかけない方法を考えることが大事だったから。職場に言う言わないも、言ったほうが楽なら言えばいいし、言ったら気を使わせると思うなら言わずに風邪ですとかで休んでもいいのかなって。不妊治療だって何日も休むわけじゃないから、どうしてもというときは、すみませんちょっと体調悪いんでって言ったほうが楽な人はそれでもいいのかなって。 ――不妊治療中に支えになった社会的な制度とか支援とかサポートってありますか? 山﨑ケイ: 不妊治療中には特別これというのはないけど、保険適用になったのはすごくよかった。治療内容によっては使えないことがあるから、問題点がないわけではないけど。あと、子どもが産まれてからも、1歳になったらもらえる東京都のサポートとか、こんなにいろいろ手当があるんだって知らなかった。5年前に産んだ友だちがみんな、私のときそんなのなかったというのが結構あって、少しずつよくなっているのかなと感じます。