「努力の仕組み化」に挑戦 三日坊主でも日記を続けられるコツとは
「自分は意志が弱いから何事も長続きしない」「努力するには特別な才能が必要、だから自分にはできない」…そんな“言い訳”を口にしながら「努力」を諦めてしまっていませんか? 実は、行動経済学の力で努力を続けることは可能です。詳しくは新刊『努力は仕組み化できる 自分も・他人も「やるべきこと」が無理なく続く努力の行動経済学』(山根承子著/日経BP)をお読みいただきたいのですが、ここでは同書の編集者2人が挑んだ「努力の仕組み化実験」をリポートします。自ら設定した課題を1カ月間続けることはできたのか? やってみて実感した継続のコツや課題とは? 新刊著者・山根承子さんの講評&アドバイスとともにお届けします。今回は「日記を毎日欠かさずつけたい!」編です。 【関連画像】先輩からのコメント ●三日坊主の私が、日記を毎日つけてみた! 「1カ月間、何を努力したいか、考えておいてね」 これは入社早々、私が先輩に言われた言葉です。というのも、当時その先輩が、今夏発売の書籍『努力は仕組み化できる』の編集作業真っ最中であり、私がそのお手伝いをすることになったためです。そして、せっかく発刊するのであれば実践もしてみよう!ということで、「本書に書かれている内容を参考にしたら実際に努力し続けられるのか」を検証することになりました。 こうして何を努力するか、うんうんと迷っていた折、小沼理さんの『みんなもっと日記を書いて売ったらいいのに』(Tidler)のタイトルを見て「そもそも日記を書くだけでも大変なのに、売るってどういうこと? 需要はあるのだろうか」と驚いたことを思い出しました。ただ、再入荷後もすぐに売り切れている現状を見ると、他人の日記を読みたいという欲が人間には少なからずあるようです。残念ながら私は自分の日記を売る勇気はないのですが、ここで思い出したのも何かの縁だと思い、何度も挫折している日記を1カ月間、毎日つけることにしました。 挑戦する際には、本書にのっとり、努力を継続させるために次の4つの環境づくりを行いました。 ①相手(先輩)と毎日写真付きで報告し合う ②相手の努力に対してコメントする ③フィードフォワード(作業前にいつ、どこで、どう行うか宣言)する ④ベッドの近くに日記帳とペンを置く、およびリマインドアプリを使用する です。 まず1つ目「相手と毎日写真付きで報告し合う」についてですが、書籍内の以下の部分を参考にしました。 見えない敵と戦い続けるのは、誰にとっても難しいことです。「自分の頑張り」を自分自身で適切に評価できなくなったとき、楽しかったはずのことが「つらい努力」に変わります。 これを乗り越えて努力を続け、成長していくためには、どんな形であってもフィードバックと目標が必要なようです。何かを継続しようとするときには、自分の頑張りを目に見える形にしてみましょう。そしてそれを基に、明日の目標を立ててみましょう。(『努力は仕組み化できる』p.55) チャット上に文章で報告するだけでなく、写真でも残すことで頑張りが見えるようにし、努力を続けられるようにしました。ただし今回、私は日記を毎日書くという努力をしているため、さらなる目標を立てるということはしませんでした。 2つ目の「相手の努力に対してコメントする」については、p.119で紹介されている「みんチャレ」というアプリの機能をまねしたものです。このアプリは同じ目標の下に集まった5人が、毎日の成果を報告し合い、励まし合うことで努力を続けられるようにサポートするものだそうです。①で報告し合うことにはなっていたため、励まし合うことを取り入れました。 3つ目の「フィードフォワード(作業前にいつ、どこで、どう行うか宣言)する」は、p.56で紹介されている方法です。 フィードフォワードとは、「その行動をどれくらいやるつもりか」を先に決めておくことで、将来の行動に影響を与えようとするものです。 これをさらに一歩進めて、「もしその行動を実行できなかったら、○○する」や「その行動を取らざるを得ないような状況を作り出す」というような、将来の自分の行動を縛るような工夫は「コミットメント」と呼ばれます。(『努力は仕組み化できる』p.56) そこで、私は日記を書く前に、「日記を何時までに書く」という宣言を毎日することに決めました。 最後の4つ目の「ベッドの近くに日記帳とペンを置く、およびリマインドアプリを使用する」は、先ほどのフィードフォワードとともに紹介されていたコミットメントです。それと同時に、意志の弱さを計画内に組み込んだ工夫です。 「疲れて帰宅すると、ベッドの上でゴロゴロして日記を書けなくなり翌日後悔しそう」と思い、ベッドの近くに日記帳とペンを置きました。また、私はやるべきことを忘れがちなため、普段からリマインドアプリを使用しているのですが、そこに「日記」を追加しました。 これら4つの環境づくりによって、日記を毎日つけることに挑戦しました。これまで数年おきに日記を書き、気がついたらやめていたということを繰り返してきた私ですが、果たしてその結果は…。