5~8番ホームが「欠番」となった日暮里駅のナゾ
幾層にも重なっている日暮里駅
日暮里駅の0~3番線には京成線が発着している。0番線とは変則だが、かつてはJR常磐線と横並びの地平ホームを1.2番線として、上り下りで運用していたのだ。それを2010(平成22)年の成田スカイアクセス(京成成田空港線)の開業に合わせて、下り線を3階の高架に上げ、その線路の両側にホームをつくって1番線は〈スカイライナー〉などの座席指定特急専用、2番線を一般列車用としたのである。 下り〈スカイライナー〉が入線すると、1番線側のホームドアは開くが2番線側は閉じたままで誤乗を防いでいる。大きなスーツケースを転がす空港ゆきの旅客と、一般利用客を分けて混雑を緩和する、うまいやり方だと思う。そして従来の地平ホームは上り列車専用となり、0番線を名乗った。ここから京成上野まで乗る人は少ないので、2階のコンコースから0番線へ下りる導線は端のほうで、目につくのは降車客用の上りエスカレーターばかりだ。 2階のコンコースは南北の出口へも通じているが、それより存在感を示しているのが、中央のJR線への乗換え改札である。案内表示も「←JR」と大書され、乗換客の多さを物語る。 JR側のコンコースに入ってみれば、まず目に入るのは駅ナカ施設の「エキュート」だ。なにしろ5~8番線はホームへ導く階段やエスカレーターなどを整備する必要がないので、その分のスペースを活かして2009(平成21)年にオープン。その後も、コンコースの拡張に合わせて版図を広げてきた。 JRの改札を出て右手へ進むと、下りのエスカレーターは東口の駅前広場ゆき、隣りには上りのエスカレーターもあって、こちらは日暮里・舎人ライナーの改札へ通じている。ライナーの乗り場は地上4階相当で、一方の東口駅前広場はレールが並んでいる駅の地平面より一段低いので、ここは地下0.5階相当のレベル感だ。地上から見上げる日暮里・舎人ライナーの車両は、はるか上の空間を行き来している。