なぜ122年つづく私設図書館を守り続けるのか?江北図書館は地域の誇りだった
古い建物を残すことに正解はない
「江北図書館のような古いものは必要ではないかもしれません。あってもなくても、自分の生活にはまったく支障のないものです。古いものを残すことに関しては、何が正解かなんて誰にもわかりません。正解はそれぞれの心のなかにあるものだと思っています」 岩根さんは、そう静かに語ってくれました。 現在、理事は全員がボランティアで活動していますが、持続可能な事業を目指すなら、無報酬のままで続けるわけにはいきません。しかし、現状は金銭的にはマイナスからのスタートで、事業としてもかなり無理があると岩根さんはいいます。 江北図書館ではさまざまな企画が開催されており、今後の企画も楽しみです。より多くの人に認知され、利用者がさらに増えることで、課題解決のきっかけとなるでしょう。 江北図書館は、創設者の杉野氏が食事代や車代を倹約し、娯楽にも一切お金を使わずに貯めた私財を注ぎ込んで建設した貴重な図書館です。だからといって、お金をかけて修繕してまで古いものを残すことに疑問を感じた方も多いかもしれません。 しかし、創設者の思いや地域の人たちの思いを知ったとき、多くの人は心を震わされるでしょう。200年後、300年後もその思いを伝えることが、我々に課された使命なのではないでしょうか。 WebSite:公益財団法人 江北図書館
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