民間ロケット市場の改革へ 堀江貴文氏が会見(全文1)2~3年で軌道投入機を宇宙へ
ロケット事業のこれまでと今後
稲川:われわれインターステラテクノロジズですけれども、小さいスタートアップでして、北海道大樹町を本店、東京にも支社があるという会社です。われわれ、事業としては2つ行おうと考えております。1つ目がサブオービタルロケットであるMOMO。もう1つがスモール・ローンチ・ヴィークルであるZEROになります。 サブオービタルとオービタル、ZEROの違いですけれども、100キロメートルのカーマン・ラインというところを越えるサブオービタルのロケット、これが今回成功したロケットです。オービタルロケットであるZEROは地球低軌道といわれる、高度500キロメートルのところを地球周回する予定のロケットです。 これまでわれわれ、MOMOの打ち上げの前に、2011年から大樹町、北海道でこれまで13回の打ち上げ実験を行ってきました。2017年にはMOMO初号機フライト1の打ち上げを行いました。こちらは部分的成功、Partial successというふうに考えております。このMOMO初号機では、打ち上げ後66秒に一番空気の濃いところであるMax Qといわれるところで壊れてしまったというふうに考えています。2号機は2018年、去年打ち上げを行いました。これは打ち上げに失敗して、打ち上げ後すぐに落下、炎上するということになりました。 堀江:でもこれ、爆発、炎上した映像があまりにもきれいだったので、皮肉なことに世界20カ国以上の、CNNとか、そういったメジャーなメディアも含むところで報道されて、不幸にも有名になってしまいました。 稲川:この2号機の失敗を受けて原因究明を行いました。10カ月後に3号機を打ち上げるということになりました。このMOMO3号機についての概要ですけれども、ここ、リストに載せているとおりですね。大きな特徴としては液体ロケットであるというところ、あとエタノールと液体酸素のロケットであるというのが大きな特徴です。2号機から3号機への変更点ですけれども、設計の変更として、配管、パイプの設計の変更、インジェクターの変更と、技術的な変更を行ったというところです。 われわれ民間企業でロケットをやっているということで、ロケットの外装にスポンサーさんの名前、企業名を載せるということ、およびネーミングライツの販売ということを行って打ち上げを行ったところです。 今回この3号機にはペイロードとして高知工科大学のインフラサウンドセンサーというサイエンスの実験のものと、もう1つはGROSEBAL社というところのハンバーグを搭載していました。スポンサーと同時にクラウドファンディングによって開発資金の調達というのを行いました。この3号機の実験としては、高度100キロメートル、カーマン・ラインというところを越えて、Full successという結果でした。 このMOMOの成功を受けて、まずは1つこのMOMOを量産化して商業化していく、定常的に打ち上げていくということを行おうと考えています。その次の段階として小型衛星を打ち上げるZEROというロケットの開発を行っているところです。これは100キログラムのペイロードを高度500キロメートル、太陽同期軌道、SSOというところに打ち上げるというものです。大きさとしてMOMOより長さで2倍以上、直径として3倍以上大きいサイズになります。