準VのU-20女子W杯でMVPを獲得した”超新星”浜野まいかの何がどう凄いのか?
コスタリカで開催されていたFIFA・U-20女子ワールドカップで準優勝した、U-20日本女子代表の帰国報告会見が1日、東京・文京区のJFAハウスで行われた。池田太監督(51)、キャプテンのDF長江伊吹(20、AC長野パルセイロ・レディース)とともに登壇した大会MVPのFW浜野まいか(18、INAC神戸レオネッサ)は「なでしこジャパンで世界一を獲るためには、世界中の誰よりも努力しなければ」と次のステージを見すえた。
チーム最多の4ゴール
天真爛漫なオーラを漂わせながら、浮かんでくる思いを淀みなく言葉に変換していた浜野が、おもむろに言葉を詰まらせた。決勝までの6試合を通して対戦相手に何を感じていたのか、と問われた質疑応答でのひとコマだった。 「前のポジションをやっているからかどうかわからないですけど、怖さというのはあまりなくて、点を決められてもフランス戦では勝ち切ることができてとても自信になって、次の試合で失点したときも負ける怖さというのはあまり感じなかったけど、やっぱり1対1の強さであるとか、フィジカルの強さというのは、うーん……」 おそらく考えがまとまらなくなったのだろう。このあたりから表情がこわばってくる。池田監督がいる左側へ顔を向け、まるで“助け船”を求めるかのように苦笑いを浮かべながら、半ば強引に話をまとめて順番を指揮官にわたした。 「劣っていて少し怖いな、というのは感じました。けど、他の部分でみんなと協力して勝つことができました。あっ……」 会場となったJFAハウス1階のバーチャルスタジアムに、期せずして牧歌的な雰囲気が漂ってくる。登壇していた池田監督とキャプテンの長江、佐々木則夫女子委員長、日本サッカー協会(JFA)の田嶋幸三会長が思わず笑いをこらえていた。 あどけなさを介して周囲をなごませ続けた浜野だが、8月下旬までU-20女子ワールドカップが開催された、コスタリカのピッチに残した爪痕は強烈だった。 オランダ、ガーナ、アメリカに3連勝したグループステージ。延長およびPK戦の末にフランスを退けた準々決勝、ブラジルに競り勝った準決勝、そしてスペインに屈した決勝のノックアウトステージの計6試合すべてで浜野はピッチに立った。 奪った4ゴールはチーム最多。ガーナ戦で決めた2ゴールを皮切りに、フランス戦では一時は勝ち越すゴールを決め、1-1で迎えたブラジル戦の後半39分には値千金の決勝ゴールを、芸術的なループの軌道を描かせながら流し込んだ。 大会得点王は8ゴールをあげて、優勝に貢献したスペインのFWガバーロが獲得した。それでも個人として最高の栄誉となるゴールデンボール賞、すなわち大会MVPを得点ランク2位の浜野に授けた理由を、国際サッカー連盟(FIFA)は身長165cm体重50kgの体に搭載された才能を称賛しながら、公式ホームページ上でこう説明している。 「スキル、パス、ゴールのカクテルは対戦相手を終始恐怖に陥れた」